読書メモ

・「皇軍兵士の日常生活
(一ノ瀬 俊也:著、講談社現代新書 \760) : 2011.07.01

○印象的な言葉
・多くの若者がなぜ、軍の存在を受け入れたのか、あるいは進んで軍に参加していったのか
・軍隊あるいは徴兵の存在を是認する、ある種のプラスのイメージ
・軍隊は規律正しい良いところだった、社会生活の基本が身に付いた
・戦争で皆がいったん貧しくなったことにより既存の社会構造が壊れ、戦後、総中流といわれる「平等」社会が実現。戦争が社会を善い方向に変えた
・徴兵制がもたらした人々の生と死をめぐる不平等、不公平。誰もそれを助けようとしなかった
・兵士と将校・下士官たちは、「勇怯」を相互監視することで、軍隊という組織の秩序が成り立っていた
・食糧にかんしても、将校と兵との間では差があった
・生還したことが、生還した兵士たちの心の中に負い目となって残った
・戦争の時代を考えるとき一番大切なのは、その時、自分だったらどうしたかを思うこと。それができていない発言や思考法が今の日本にはあまりにも多い

-目次-
第1章 「皇軍」兵士はこうして作られる(皇軍兵士となるまで
兵士が入隊するとき)
第2章 軍隊での生き方(平時の軍隊生活
戦時下の兵士
少年兵たちの軍隊)
第3章 兵士と家族―戦争の「不公平」(「手当」をめぐる不公平
軍事郵便をめぐる不公平
戦死者墓石・戒名の不公平
「食」をめぐる不公平)
第4章 「戦死の伝えられ方」をめぐって(戦死の真相を探る
引揚援護庁『死亡認定の参考』をめぐって)