読書メモ
・「iPhoneアプリで週末起業 〜金なし、コネなしでも、超低リスクで始められる」
(山崎潤一郎:著、中経出版 \1,400) : 2011.02.05
内容と感想:
自身もiPhoneアプリでケータイビジネスを展開中の著者が書いたケータイアプリ・ビジネス入門書。
大きな資本は不要。必要なのはアイデアとやる気だけ、と参入障壁は低い。
アップ・ストアは「腕試しの場」、「夢をかなえる場所」と期待する開発者などを世界中で集めている。
ゴールドラッシュと呼ぶ者もあるという。
本書ではiPhoneアプリ以外も含めたケータイアプリ・ビジネスの動向(2009年6月現在)を示すとともに、
特にiPhoneアプリの開発からアップ・ストアでの公開までの流れの解説もしている。
今やiPhoneのみならず、Androidケータイも続々登場し、スマートフォン時代が来ている。
Android向け、Windows Mobile向けのアプリでも同様のアプリビジネスの盛り上がりが期待されている。
現在はiPhone勢力が先行者利益を享受しているように見えるが、市場の変化は速い。
参入のハードルが低い分だけゴミ・アプリも多いようだ。本当にビジネスになるのは一部のアプリだろう。
結局、場貸しのApple社のようなプラットフォームを提供しているところが安定して儲けられる仕組みである。
新しいビジネスだけに期待も大きい分、まだ課題も多いと感じた。
○印象的な言葉
・大企業は参入しにくいマーケット。コスト割れ、埋もれる、当たり外れが大きい
・ロングテールのメリット
・真価はクラウドで最大限に発揮される。クラウド型のサービスならサーバー側のプログラムを最新にすればユーザは再インストール不要。ユーザが端末で作ったデータもサーバに蓄積。
別の端末で利用したり、他人と共有したり。ネットワーク対戦ゲーム(⇒課金が課題)
・ユーザを集めて大手に売却
・国籍に関係のない普遍的なテーマ。世界を見据えて行動
・こだわり、マニアック
・ちょっとしたライブ、CDにはできないような楽曲
・悪口を書かれることを心配してはいけない。レビューの数が多いのは関心が高い証拠
・小遣い稼ぎと考える
・コンテンツだけを追加販売する仕組み。ゲームの新しいステージやアイテム、楽曲。雑誌、書籍。利用者の囲い込み、継続的な売上
・お試しアプリ。商品宣伝用の動画、ゲーム
・検証すべき実機の種類が増える(⇒ユーザサポートが大変。検証やサポート自体がビジネスになる★。ユーザに検証してもらう)
・ベストエフォート型:最大限努力するけど、ダメだったらゴメンね。
・「安心・安全・確実」なiモードビジネス。手厚いサポート体制。トラブルを極力遠ざけたサービス
・Androidケータイの「オープンで自由な思想」とiモードとのギャップ。
・ユーザがカスタマイズして、オリジナリティを出したいというニーズ。アイコンや壁紙
・商標侵害のリスク。国内だけなら特許電子図書館で調査可能。米国著作権局
・著作権など権利処理に関してはアップルはノータッチ。当事者同士で解決
・端末アプリとウェブAPIの連携
・思い入れのもてる仕事
・アプリの企画・開発支援
・アプリの紹介動画をアップルの審査担当者に見てもらい、審査の一助にしてもらう
・ゲームなら、もっと遊びたいと思わせる手前で機能限定し、有料版に誘導する
<その他>
・アップ・ストアでの売上への課税はどうなる?⇒「米国内での商取引」とみなされる
・iPhone持ってお出かけ。写真や俳句の投稿。
・Apple社が突然、仕組みを変更するリスク
・ゴミ・アプリが増えたら、Appleが参入条件を厳しくする可能性も
・歌唱力判定アプリ
・写経アプリ:手書き(筆でなぞるだけ)
・墓参りアプリ:読経してくれる
・アプリ開発とグラフィックなどの分業体制
・マッシュアップは、質の悪い一つのAPIがボトルネックになる恐れ
-目次-
第1章 iPhoneアプリでジャパニーズドリームを実現しよう
第2章 アプリビジネスの最新トレンドをつかめ!
第3章 成功者が教えるアプリビジネスの極意
第4章 アプリ準備から公開までの「勘どころ」を押さえる
エピローグ
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