読書メモ ・「森林の崩壊 〜国土をめぐる負の連鎖」 ・森や木と共にあった技能や職能、産業文化の伝統が継承に危機にある(⇒ノウハウの共有) ・眠る莫大な森林資源 ・豊かさの質を左右する公共財 ・人工林の9割が杉、檜、松 ・国有林では伐採、造林などを100%民間に委託 ・山では年間二千数百件の労災が発生。伐採が最も危険。作業現場では携帯電話も通じないところが多い。労災発生時には命取り ・日本の山林は他国よりも傾斜がきつい ・日本の林業機械の開発。他の産業からの転用が多い ・日本の国土調査は半分にも達していない。所有区分がはっきりしない土地が国土の半分以上ある ・土地の長老達の貴重な知識、知恵が失われようとしている。自生していた樹種や、木を植える場所、切り方、崩れやすい場所など ・森林作業支援ロボット ・教育とは学校で習ったすべてを忘れたあとに残るもの(アインシュタイン) ・紅葉が美しい山からは良材が取れる ・杉は檜より乾燥が難しい。杉を製材する技術や施設も発達してこなかった。杉など針葉樹は家具木工や合板に適さない ・林業の補助金制度はよく変わる。マニュアルどおりにやらないと補助金がもらえない。工夫する余地がない。やる気を奪う ・ドイツやオーストリアでは森はみんなのもの。自由に立ち入ることができる ・欧州には特権階級から権利を奪い返し、隣人と一緒に皆で社会を作ってきた歴史がある ・持てる者にはそれだけの社会的責任がある。権利と責任は背中合わせ ・目的主義。裁量も責任も自分にある ・個人の好き嫌いとは切り離されたところで人と話し合う教育 ・古来、大工は二つとない現場で工夫を凝らし、唯一無二の無垢材の性質を活かして組み上げ、建てて来た ・木材は切って数百年は次第に強度を増す ・まずい仕事をすれば仕事がなくなる、というシンプルな関係 ・優れた科学者は科学が分かる前に、生き物としての鋭い感性をもった人 ・規制をどんどん書き加えていくうちに、伝統的な建築構法で建築できなくなった ・木材は自然に生えていた状態を大事にして使うもの。木の性質を生かす。金物が木を傷める。地域性を生かす ・伝統構法では短期的には高コストだが長期的にみれば安くなる <その他> ・ものづくりは人づくり、人づくりは人の心づくり -目次- 第1章 日本の森でいま、何が起こっているのか 第2章 日本の木を使わなくなった日本人 第3章 補助金制度に縛られる日本の林業 第4章 公共財としての森と欧州の発想 第5章 建築基準法で建築困難に陥った伝統木造 第6章 大工棟梁たちは何を考えているのか |