読書メモ ・「窮すればすなわち変ず 〜「変化」をどう受け止め、どう処するか」 ○印象的な言葉 ・米国の軍事力の限界。米国の現在の経済力ではドル基軸通貨体制を維持できない ・核拡散により戦争抑止力が高められている。もはや軍事力が大きな意味を持たない時代 ・実体経済と金融資産残高が増えていくペースを同程度にするようなコントロールで、金融資産の過度な膨張を抑える ・次は「中国の世紀」。一党独裁体制も崩壊して多党化していく ・共産主義とは資本主義から資本主義に至る苦難の歴史である(気賀健三) ・革命を起こすためには、歴史観と理論的支柱が必要 ・プライマリーバランスなど気にせず、公共投資を中心とした積極財政で景気回復を図る ・ゼロ金利政策、量的緩和政策にも拘わらず、設備投資と消費が全く回復して来なかった ・金利を上げることで円を強くすることで、米国の国際収支の改善、ドル防衛につながる ・円高で輸出産業は痛手を被るが、遅れていた産業構造の転換につながる。円高で日本人の生活水準は上がる。円高時は輸出関連より内需関連銘柄。 食糧自給率4割、エネルギー自給率が5%と輸入に大きく頼る日本には、円高が良い。円高を利用して消費を喚起 ・ドル基軸通貨体制の終焉のとどめはサウジアラビアのドルペッグ制放棄。既にクウェート、バーレーンは離脱 ・米国の貿易収支を建て直すには元の大幅切り上げ、日本円の切り上げしかない ・サブプライムローン問題は住宅価格が底打ちするまで解決しない ・中国を中心に日本を含めたアジアが一つの極となり、EUと米国の3極体制に ・G8会議では現代の経済問題を解決することは不可能 ・ミドルクラスの消滅。富裕層と貧困層の二極化の拡大で、日本社会は崩壊 ・蚊帳の外に置かれたアフリカやアジアの一部の国、国民はますます困窮する。国家間格差は更に拡大 ・これから起こるイノベーションは既存の2つの産業が結合することにより生まれる。ITとバイオ、ITとエネルギーマネジメント技術など ・行政の非効率を改善せず、増税ばかり考えていては、日本からお金が流出していく ・国民の大多数が英語で会話する国際的都市シンガポール ・中国は私有財産制度がある意味で認められていないことが最大のボトルネック。外国人の資産が守られ、効率的な運用が出来ることが確実になれば構図は変わる ・中国では日本の安価な眼鏡、質の高い眼鏡がうけている ・日本のODAは全く効果がない資金の出し方。費用対効果を考える必要がある ・韓国の経済規模は九州経済圏くらいに小さい。サムソングループがダメになれば韓国もダメになる ・バッドバンク:悪いアセットだけを切り離し、それだけをもつ銀行。いずれ潰れることが決められた運命。切り離した部分は損として潰してしまう ・過剰流動性がインフレを誘発 ・株価¥6,994が異常かどうかの判断が出来るかどうかが大事 ・ドルの信認が低下している状況下で、ドル買い介入しても、将来ドルが下落したら、その責任は誰が取るのか?為替は実体に任せたほうがいい ・オバマ政権は富裕層に冷たい政治。富裕層の消費が減ることはマイナス影響 ・大企業は官僚化し、その活動を停滞させ、資本主義は滅び、社会主義に移行していく(シュムペーター) ・日雇い労働者を雇っているから成り立つ商売も多数ある ・代案なき規制強化には危険性が潜む ・易経:「四書五経」の一つ。トゥインビーなども影響を受けた。物事が変化する前にその変化(する兆し)を知る。「幾」を察する能力を養うための書物。 3つの「キ」を学べる。@幾A機(勘所、ツボ)B期 ・楽天知命:天命を自覚し、それに安ずればクヨクヨ考え悩むことはない ・「兵」は国防、「食」は経済や財政。これら2つよりも「信」が大切(孔子) ・英国では学校で金融知識を学ばせる。個人が抱える過剰な借金が社会問題化していることが背景 ・髪を染めると、髪の根毛組織から吸収された染色剤が肝臓にいく -目次- 1章 日本は好機を生かせ 2章 世界を歩いて学んだこと 3章 経済の明日を洞察する 4章 経営の本質を考える 5章 先人の英知に学ぶ 6章 日常の思索 |