読書メモ

・「偽善入門 〜浮世をサバイバルする善悪マニュアル
(小池 龍之介:著、サンガ \1,400) : 2011.05.18

○印象的な言葉
・不正をした人を寄ってたかって批判し踏みにじることは、決して麗しい行為ではない。罵り、その口汚さや攻撃性ゆえに単なるちんけな悪役に終わる
・「他人や社会は自分に対して利益をもたらすような道徳的な存在であるべきだ」という欲望
・慈悲の文言を心の中で何度か念じ唱える。心が穏やかになり、安らかになる
・ニーチェの主張:道徳にしがみついて生きている人間なんて、心の弱い弱者に過ぎない。道徳をこき下ろし、批判。
・格好をつけるのをやめて、まずは偽善でもいいから、偽善人になることから始めながら、善人を目指す
・格好つけるためにルールや道徳に対して斜に構えるのは、こしらえられた悪、「偽悪」
・現在の偽悪的な社会の中で稀少価値があるのは、善の心を日々強めていく努力を続けること
・本物の善人は、揺るがず動じず、品格を伴って、その場の事柄に冷静に対処できる人。様々なことを見通す明晰さを備える
・「欲や怒りがあって、迷ってこその人間。それが人生の豊かさ」などというのは誤魔化しの言葉
・欲や怒りの煩悩を作った瞬間に、心と身体は不快感の報いを受ける。それを感じるセンサーを鈍くしても、気付かないところで潜在意識と身体は蝕まれる。
・無我を体験するまでは「我」が抵抗する。我が弾け飛べば、我を張るこわばりから解放される。執着は薄まり、安らかで穏やかになる
・無我なるままに流れに逆らわず、流れに乗る。自由自在に望みどおりに生きられる
・自業自得:過去の良い業(カルマ)のおかげで、良いこと、喜ばしいことが報いとして得ることができる
・不善なる心を作った瞬間に心身にダメージを受ける
・空(くう):雑念が一切なく、我のない状態。一点の曇りなき爽快感

-目次-
1 道徳の猥褻さ
 タダ乗り偽善
 脳内ストーリー正当化ツール
 安心偽造ツール=良い子トリック
2 偽善を使いこなす
 偽善グラデーション
 アウトロー気取り
 偽悪プレイ ほか
3 善悪の威力
 善/悪/偽善/偽悪の勢力地図を描き直す
 善悪式・やる気コントローラー
 道徳教育の嘘