読書メモ

・「伽藍とバザール ―オープンソース・ソフトLinuxマニフェスト
(Eric Steven Raymond:著、山形 浩生:訳、光芒社 \1,800) : 2011.05.16

○印象的な言葉
・伽藍方式(中央集権的な開発。伽藍のように組み立てる。大聖堂)とバザール方式(Linux界、分散型)
・早めのリリース、しょっちゅうリリース。任せる。オープン。コミュニティ。
・ハッカー文化
・贈与経済。生存に必須の財がたっぷりあるせいで、交換ゲームがおもしろくなくなったときに起きる
・評判ゲームモデル。名誉、名声を競う
・何を書けばよいか分かっているのが「よいプログラマ」。何を直せば(使い回せば)いいか分かっているのが「すごいプログラマ」
・建設的な面倒くさがり、怠け者
・再利用。共有
・ユーザも共同開発者。デバッグに役立つ
・リーヌスの一番賢い、影響力のあるハッキングは「Linux開発モデルの発明」。ネットが可能にしたゆるい協力体制
・バグや開発上の袋小路を避ける第六感。楽な道を見つけ出す直感
・一員となることでエゴを満足させる。仕事が絶えず進歩しているのがご褒美
・問題を直すより、見つけることのほうが難しい
・デルファイ効果:意見の平均は、ランダムに選んだ人の意見より予測精度が高い
・カテゴリーキラー:ニッチを見事に満たすソフト
・科学も工学もソフト開発も、ほとんどは独創的な天才の手によるものではない
・意識的に全世界を才能プールとして使う
・Linux関連文書の驚くべき多様性と品質と詳細さ
・オープンソースが成功した理由の一部は、プログラミング人口のトップ5%しか受け入れないこと。プログラマの生産性の違いを見せ付けられる
・伝統的なソフトプロジェクトの60〜75%は完成せずに終わるか、顧客に拒絶される。半分以上は達成不可能か間違った目標を目指して進んでいる
・創造的な遊び。喜びが資産。楽しみが能率を上げる
・グループ開発に火をつけるのは、いいアイデア一つ
・EGCS:gccの高速版。機能面でも、最適化・信頼性でも向上。主要Linuxディストリビューションも移行
・創造的なチームワークは真のコミュニケーションに依存
・ハッカー文化の純粋主義で狂信的な部分を軽く嘲笑する
・ハッカーコミュニティは厳格な能力主義。「とにかく動く」コード。
・リーダーに求められる謙虚さと気高さ。あたりの柔らかさ。よい判断力
・オープンソース開発の最後の処女地はアプリケーション。技術音痴のためのプログラム。
・共同開発者たちの議決委員会。独裁権を巡回方式にする
・巨人の肩に立つ。先人の成果に積み重ねる
・開発コストをオープンソース化で下げることのメリット、ただ乗りの競合による損害
・プロはソース非公開ソフトのセキュリティを信頼しない
・オープンソースのクライアントソフトをばらまき、サーバソフト(サービス)を売る★
・ソフトをフリーにして、コンテンツを売る★
・システムインテグレーションや品質保証、サービスに専念。周辺サービス、付加価値の提供で商売★
・オープンソースは自由と平等を実現するためのツール。(⇒政治にも応用できる)
・オープンソースにしただけでは、みんながチェックしたり貢献したりしていくれるとは限らない。ハッカー資源は無限ではない
・使う人が増えればうれしい。最悪、自分ひとりでも構わない
・世界は解決されるべき面白い問題でいっぱい
・バザール方式での翻訳

<その他>
・オープンソースがベースでもカスタマイズサービスなら金を取れる★
・高度なツールを使いこなし、価値を生み出すエンジニアを売る★
・依然として巨大企業が独占し、ユーザに高コストを課しているサービスを、劇的に低コスト化する技術

-目次-
第1部 伽藍とバザール
第2部 ノウアスフィアの開墾
第3部 魔法のおなべ
第4部 エリック・S・レイモンド大いに語る
第5部 ノウアスフィアは、ぼくたちの開墾を待っている