読書メモ
・「不思議なほどうまくいく人」
(メッテ・ノルガード:著、柴田昌治:訳、三笠書房 \1,300) : 2011.01.16
内容と感想:
アンデルセンの3つの童話「みにくいアヒルの子」、「コガネムシ」、「ナイチンゲール」を読み解き、
仕事や人生に活かそうとした本。これらの童話は自分をいかに成長させ、輝ける人生にしていくか、ヒントを与えてくれている。
著者は「大人になってから読み返したい「懐かしくて新しい」物語」だと、アンデルセンを再評価している。
童話本文全体を引用しながら、新たな解釈を加えている。
更に各章の終わりに企業風土・体質改革コンサルティングの訳者が、自身の経験と視点から解説を加えている。
特に巻末では訳者が現場で導入を勧めているオフサイト・ミーティングというものに触れている。
なんとなく感じている不満や疑問、モヤモヤした感情を表に出すことで、解決の糸口を見つけ出していく。不満や隠された思いを表に引っ張り出すことで、
「活力ある組織風土」づくりにつなげているという。議論を重ねることで職場につながりを生み出し、やり甲斐も生んでいるそうだ。
○印象的な言葉
・腹を割ってとことん議論。とことんぶつかり合って信頼関係を築く
・一人勝ちより、ライバルと一緒に勝つ
・周囲が「現実と常識」を主張しても、それが必ずしも正しいとは限らない
・挑戦とは仕事を変えることだけではなく、自分自身を変えること
・我慢や現状維持は何も生まない
・どうせ一生ここで働くんだったら、世界中に名が知れるようなxxにしたい
・「大飛躍」や「重大な決断」という言葉に惑わされない
・自分の情熱に嘘をついているとすれば、人は覇気まで失っていく
・「人生の真の喜び」とは、自分自身が「素晴らしい目的」だと思うもののために働くこと(ジョージ・バーナード・ショー)
・未来はその夢の素晴らしさを信じている人だけが手に入れられるもの(エレノア・ルーズベルト)
・「余裕の時間で自主的に何かを開発する」という「隙間」が消えかかっている。「効率化」が持ち込まれた結果、イノベーションが生まれにくくなってきている
・才能は誇大妄想と紙一重。単なる虚言とすら捉えられがち。「成し遂げたい」という強烈な思い。自分ができなければ誰がやるのか
・成功しているイノベーターは自分を信頼してくれている「常識的に頭のいい」ブレーンをもっている。バランスがとれる
・これは、と思う人に尋ねてみる。同じ思いの人が見つかるかも
・生産的なナルシシスト:自立心、自分を売り込む能力、クリエイティブ能力を前向きに活かす力。大胆な行動。自信みなぎるパワー。周りに人が集まる
・自分の強みと弱みの正しい認識:信頼できる相手に強みと弱みを挙げてもらう
・多面性:連帯欲、学習意欲、達成欲、防衛欲などを引き出し、状況に応じて順応
・傲慢さと「いい人の私」のバランス
・野心と強力が組み合わされると大きな力を生む
・ブランドを作る力とは「物語を作る力」
-目次-
1 「自分を成長」させる みにくいアヒルの子 ―みにくいアヒルの子はなぜ強く、美しくなれたのか?
今の自分、本当にこのままでいいのだろうか
「何か違う」と思ったときのアクション・プランを練る
自分に対して“熱血鬼コーチ”になりすぎていないか ほか
2 「自分が輝ける舞台」を作る コガネムシ ―高飛車なコガネムシは旅の末に何を見つけた?
自分の上手な「ブランディング」の仕方とは
「強み」と「弱み」は紙一重
「チャンスをあげたい人」―人間力をもう一度見直してみる ほか
3 「自分の天職」を見つける ナイチンゲール(小夜啼鳥) ―歌の上手な鳥が出世の代わりに選んだ道は?
「目に見える報酬」と「やりがい」のジレンマ
目先の「にんじん」に惑わされない
小さくても「自分のグラスで飲んだ」作曲家 ほか
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