読書メモ

・「日中2000年の不理解 ―異なる文化「基層」を探る
(王 敏:著、朝日新書 \720) : 2011.03.17

○印象的な言葉
・日本人は親しくなるほど、言葉が少なくなる
・日本文化は言葉で説明できない感性を基層にしている文化。感性文化
・転向が許容される日本の精神風土。日本人は常に相対的な価値観をもつ。他律的な集団運営を是とする
・無思想という思想:衣装としての思想の移動。必要なら何かの思想を借りておけばいい。具合が悪くなったら取替えれば済む。 窮屈さがない。甘えを許し、軽薄な印象。移り身の早さ
・独創的な哲学がなく、政治には主義がなく、政治の争いにおいても長続きしない
・般若心経は無思想の思想そのもの。思想の無意味さ
・日本人には「同じ人間だから」という感性への絶対的な信頼がある。思いやり、気遣い
・動物と人間の垣根を理屈なしに簡単に越えることができる日本人。自然融合感。自然を対立した存在としない
・移り変わる山河に自己を重ねる

-目次-
第1章 動物を慈しむ文化
第2章 動物観の違いが文化にも
第3章 裸の付き合いをする文化
第4章 「水に流す」文化
第5章 儒教体系に支えられてきた文化
第6章 「正義」を求める文化と「自然」を求める文化
第7章 日本人のアイデンティティー
終章 2000年の不理解をひもとく試み―日中異文化の視点で