読書メモ

・「世界大不況からの脱出 〜なぜ恐慌型経済は広がったのか
(ポール・クルーグマン:著、三上 義一:訳、早川書房 \1,500) : 2011.06.08

クルーグマンはおよそ10年以上前から来るべき世界大不況に対して警告を発していた。 本書は1999年に出版されたものの改訂版。 80年代後半の共産主義諸国の瓦解、90年代の中南米やアジアの通貨危機、日本のバブル崩壊などすべてが、2008年の経済危機の序章であったことを指摘。

○印象的な言葉
・新しい現象を理解するためには、様々なアイデアと「遊ぶ」用意がなくてはならない。遊び心のない、もったいぶった調子で論を展開する人々は新鮮な洞察を提供することは全くない
・予言の自己成就:いかに不合理であろうと市場がそう信じ込んでしまったら、そうなってしまう
・自己拡大現象:一度そのプロセスが始まると、自動的に連鎖反応的に肥大していく

-目次-
第1章 「問題の核心は解決された」
第2章 無視された警告―一九九五年、中南米諸国の危機
第3章 日本がはまった罠
第4章 アジアの恐慌
第5章 倒錯した政策
第6章 世界の支配者たち
第7章 グリーンスパンのバブル
第8章 影の銀行
第9章 恐怖の総和
第10章 恐慌型経済の復活