読書メモ ・「複雑系 ―科学革命の震源地・サンタフェ研究所の天才たち」 ・複雑なシステム:おびただしい数の独立したエージェントが様々なやり方で相互に作用しあっている。相互作用の豊饒さがシステム全体の自発的な自己組織化を可能にしている。 相互調整と一貫性を求めるエージェント群が個を超越し、ばらばらでは決して持ち得ない生命、思考、目的といった集合的特質を獲得していく。 ・自己組織化のシステムは適応的。積極的に全ての出来事を利益に変えようとする。よりよい生存を求めて進化していく ・サンタフェ研究所:非営利組織のシンクタンク。根源的な統一というビジョンを共有。オープンな組織。ある種のプログラムはネットで入手できる ・ニュートン時代以来、科学を支配してきた線形的、還元主義的思考への対案を作りつつある。 ・還元主義的手法:近代科学、現代科学は物事を基本構成要素に分解し、その性質を要素の性質に還元して説明しようとしてきた。大学や研究所の細分化構造を助長してきた。 その専門主義が、学者を塀の内側に閉じ込めてきた ・地球の持続可能性は6つの遷移を経験して可能になる。人口学的遷移(安定な世界人口)、工学的遷移(環境影響の最小化)、経済的遷移(環境コスト)、社会的遷移(収益の分配)、 制度的遷移(超国家連合)、情報の遷移(難題の本質の理解) ・全体は部分の総和以上である ・「カオスの縁」こそ、生命の発現から生物の進化、心の形成、経済や社会の活動までの「創発」の場 -目次- 第1章 アイルランド的ヒーロー―世界のダイナミクスをとらえる新経済学 第2章 老年急進派の反乱―サンタフェ研究所の胎動 第3章 悪魔の秘密―生命の起源を探る遺伝子ネットワーク研究 第4章 君ら、本当にそんなこと信じてるのかね?―経済学者と物理学者の理解・不理解 第5章 遊戯名人―「複雑適応系」としての世界 第6章 生命はカオスの縁に―人工生命が語る生命の本質 第7章 ガラス箱のなかの経済―株を売買するコンピュータ 第8章 カルノーを待ちながら―「新しい第二法則」誕生の予感 第9章 その後のサンタフェ研究所―二十一世紀の地球のための科学 |