読書メモ

・「ブリッジマンの技術
(鎌田 浩毅:著、講談社現代新書 \720) : 2011.04.15

「ブリッジマン」とはフレームワークの橋渡しが上手にできる人。 薩長の手をにぎらせた坂本龍馬。

○印象的な言葉
・フレームワークが合わないと話が通じない。「考え方の枠組み」、思考パターン
・人のフレームワークがよく見えるようになることで人付き合いが上達する。コミュニケーション・ギャップの問題を解決する
・人は見たいものしか見ていない
・相手の関心に関心をもつ
・事実と意見を分けて聞く
・議論などは、よほど重大なときでないかぎり、してはならない。議論に勝っても相手の名誉を奪うだけ。負けた後、待つのは負けた恨みだけ(竜馬がゆく)
・素人である市民の言葉で語りかけ、市民のフレームワークに合った話をする。価値観やプライドを捨て、世間の価値観で生きる
・ネットが発達し、実際には言葉が通じる広がりが、だんだん狭くなってきた。コミュニケーション圏の間のディスコミュニケーションが起きている(鷲田清一)
・専門化が極度に進んだ現代の社会全体に、専門家と市民の乖離という問題が横たわる
・道徳もフレームワークの一つ。道徳をめぐる争いは人を幸福にしない。フレームワークが全く異なる人には自分の正義も道徳も倫理も通用しない
・科学の視点は常に冷静。自然現象をみるときには虚心坦懐に物事を観察しなければならない。それまで持っていたフレームワークから一時的にせよ解き放たれている必要がある。 旧来の価値観から自由になったとき、本質が見てくる
・嗜好やイデオロギーに縛られて目の前の自然現象が見えなくなるのは賢いやり方ではない
・フレームワークの掛け替えを自然にできるようになる。それを自然災害から人々の命を救うという目的に向かうときに活用する。

-目次-
第1章 フレームワークは人間関係の基本原理(テレビ生出演で大失敗
「大金」はいくらか? ほか)
第2章 相手を知る(相手の関心に関心を持つ
恋の攻略法も同じ ほか)
第3章 自分を知り、自分を変える(自分を知る
自分のフレームワークは見えにくい ほか)
第4章 ブリッジマンになる(個人を相手としてブリッジマンになる
数多くの代替案を用意する ほか)
第5章 フレームワークを使ってむずかしい内容を読み解く(専門家のフレームワーク
身近でない文章を読み解く ほか)