読書メモ

・「ユニクロ型デフレと国家破産
(浜 矩子:著、文春新書 \850) : 2012.12.13


○印象的な言葉
・ソブリン・ショック
・実物デフレと資産インフレの共存。両方に効く特効薬はありえない
・地域通貨でデフレ解消。限られた範囲外には流出することがない。コミュニティ内の人と人を結び付け、地域を活性化させる
・ワーカーズコープ:雇用されない(企業に属さない)労働者の組合。組合員と市民とが「出資・経営・労働」の3つの役割を担い、得た収入を分配する。特徴は地域密着型。 NPO法人の形態をとっていることが多い。国は法整備をして、もっと支援すべき
・自己利益追求の果てに待つものは、共食い・共倒れ
・デフレが日本人の感受性を鈍磨させる
・経済政策の役割:経済の変動により生じた社会の歪みや不具合、軋轢を矯正したり解消すること。恩恵を人々が味わえるよう工夫を凝らすこと
・政治は経済にとって医者であっても、設計者にはなりえない
・日本の政党のマニフェストには正確な診断もないまま、処方箋だけが並べてあった
・経済学の使命:今、何が起きているかを正確に捉えること
・日本経済はグローバル化に適応しすぎて現在の事態に立ち至った。最も適応した部分が最も深い傷を負った
・トヨタは生産と販売の面はグローバル化に適応したが、それに見合う品質管理や生産管理の体制づくりが不十分だった。兵站線が伸び切っていた
・BIS:中央銀行間の決済などを行なう、中央銀行のための中央銀行
・2010年1月にオバマが掲げた輸出倍増計画は、よほどのドル安を実現しなければ達成は難しい
・英国では巨額の税収をもたらした金融セクターからの税収が激減し、財政状態が悪化
・タイでもカンボジアやラオスから労働者が流入し、タイ国民の賃金が下がり、雇用機会も減っている
・ILO(国際労働機関)が提案する21世紀に実現すべきテーマ「Decent work」。まともな、きちんとした仕事。上品、礼儀正しい
・1930年代は世界同時デフレ時代だった
・「180度、昨日と違う人間になる」ことが出来るのが日本の凄いところ。他の民族にはなかなかできない。日本人の生真面目さ、徹底ぶりがグローバル化の対応に当たって、 傷をより深くした
・アイスランドの金融破綻により、アイスランドが発行した円建て外債(サムライ債)780億円が債務不履行になっていう
・21世紀型の日本は地域共同体がそれぞれ「開かれた小国」になる。外に向かって開かれていればいるほど豊かになる。コバンザメ的生き方
・オランダのワーク・シェアリングは「分かち合い」のコンセプトから出てきた。政府、労働組合、企業が「ワッセナー合意」を結び、失業者を減らし、経済を立て直すため、 それぞれが少しずつ我慢することにした。三方一両損の精神。

-目次-
第1章 ユニクロ型デフレとは何か
第2章 グローバル・ジャングル
第3章 国債バブルと金融再暴走
第4章 国家総破綻
第5章 通貨大波乱
第6章 第三次グローバル化時代
第7章 二十一世紀型への処方箋