読書メモ

・「出社が楽しい経済学
(吉本佳生、NHK「出社が楽しい経済学」制作班:編、NHK出版 \1,200) : 2010.03.01

○印象的な言葉
・サンクコスト:もう回収できないコスト。埋没費用。サンクコストは忘れろ。はずれの映画だったらすぐに出てくる。時間が勿体無い。 失敗しても損失を拡大させない
・お金以外のコスト。時間、労力、道具や機械をすり減らす、心理的に嫌な思いをする
・限界費用:余分にモノやサービスを生産するときの追加コスト。PB商品では追加コストは原材料費だけで済む
・比較優位を持つほうに特化(専念)することで、全体の経済効率が高まる
・海外からの安い輸入品で負けたことは、技術進歩の波に乗れなかったこと。国内の労働者の賃金も下がったとすれば、輸入制限も一時的な効果しか持たない
・経済学の目標:みんなの満足を、できるだけ低いコストで高めたい。インセンティブをうまく活かす
・歩合家賃:借主の売上に応じて家賃が変わる。家賃収入を増やしたい大家が、集客努力をしてくれることが期待できる
・モラルハザード:依頼された側(代理人)が、依頼人に不利益をもたらすような行動。相手の行動を観察するコストが高くて割りに合わない。
・努力と成果の大小は一致しない。成果だけを見て、努力を評価しない成果主義では問題がある
・ペイオフによr預金者も金融機関を厳しくチェックしなければならなくなった(→銀行も選ばれる側になる。双方によい緊張感が生まれる)
・逆選択:悪貨は良貨を駆逐する
・シグナルとしての学歴。会社側は大学の専門教育に期待していないため学歴で判断する。
・情報面で優位なほうが情報発信するのがシグナリング。情報をもっていない側が相手から情報を引き出そうとするのがスクリーニング。
・自己選択型の価格差別:消費者自らがグループに分かれる仕組み。クーポン券
・幕末の金銀の交換比率は国内では1対5.海外では1対15だったため、金が大量に流出。(→そんな相場も当時は知らなかったのか?)
・寡占企業の戦いはゲーム理論による分析が当てはまる。ゲームの木で展開を読む。直面するゲームがいかなるものか把握することが難しい
・ネットワーク外部性:人気者はますます人気者になる。乗り換えが難しい。一人勝ちが生じやすい。それが標準になる。つながることで価値が高まる
・電話は電話機をリースで貸すことで加入者を増やした
・ゲームソフトとゲーム機の相乗効果が、他を圧倒するゲーム機を生み出す(→アプリとスマートフォンの相乗効果)
・オープンソースソフトウエア開発:みんなが使うネットワークはみんなで作って、みんなで修正しながら使う。沢山の人を巻き込むことで安定する

<感想>
・FAXやネットで似顔絵を送り合って腕を競う。ネットワークで情報のやり取りをしやすいコンテンツなら応用可能。
例)俳句・クイズ・棋譜・小説(テキスト)、写真(画像)、音楽(音声、楽譜)、動画(映像)、プログラム(ゲームなど) そうした場を提供するサイト、ネットサービス ・PDFのように多くの人がその形式のファイルをやり取りするようになるには無料のリーダーソフトがあったから。見る・読むだけで物足りない人には有料の編集ソフトを売る

-目次-
サンクコスト ―覆水盆に返らず
機会費用 ―時は金なり
比較優位 ―カネも能力もないあなたへ
インセンティブ ―やるもやらぬもこれ次第
モラルハザード ―安きに流れるは人の性
逆選択 ―悪貨は良貨を駆遂する
価格差別 ―すべてはお客様の懐次第
裁定 ―確実に儲かる方法、教えます
囚人のジレンマ ―正直者は馬鹿を見る?
共有地の悲劇 ―ただ乗りはご遠慮ください〔ほか〕