読書メモ
・「勝間・藤巻に聞け!「仕事学のすすめ」〜自分ブランドで課題克服」
(勝間和代、藤巻幸夫:著、生活人新書 \700) : 2010.09.30
内容と感想:
NHK教育の番組「知る楽 仕事学のすすめ」で2009年に放送された中から
勝間、藤巻両氏が出演した分を再構成した本。第1章を藤巻氏、第2章を勝間氏が担当。
第3章は両氏の対談となっている。
番組の狙いとしては若いビジネスパーソンや中間管理職を対象に、仕事の仕方や発想のヒントなどを探ろうとするものだったとのこと。
両氏がキャリアを振り返りながら、困難の乗り越え方や仕事に対する哲学などを語っている。
キーワードは「自分ブランド」(第1章)、「課題克服」(第2章)。
現在、お二人とも自分の「ブランド」を確立し、組織を離れ、フリーの立場で活躍されている。
人間にブランドをもたせる、というのは何となくイメージできるだろう。強みや売り、といってもいいかもしれない。
自分ブランドを作り上げて、いい仕事をし、いい人生を過ごせと藤巻氏は語る。様々なプロジェクトを成功させてきた、その裏話も興味深かった。
勝間氏はダメな中間管理職時代のエピソード、苦労話なども語っているが、
自分の課題を分析し、解決策を探り、ひとつずつ改善したきた。そうしてスキルを磨き、実績を積み重ねて現在の
「勝間ブランド」を構築してきた。その努力、向上心、行動力には圧倒されるかも知れない。
二人の対談でも、仕事を通じて幸福感を得よう、日本を明るくしたい、という思いが伝わってくる。
○印象的な言葉
・フォロワーシップ:リーダーが示すビジョンを正しく理解し、主体的にコミットし、ミッションの遂行を支えていく
・ブランドには強い信念が込められている。人々は厚い信頼を置く。目的、使命、実績
・ブランドの3要素:ストーリー(物語)、ヒストリー(歴史)、フィロソフィー(哲学)
・トレンドを追ったり出来合いの知識に頼って商品作りをしても、結局は個性を打ち出すことさえ出来ずに終わってしまう
・今いるところから抜け出したい、違うものを見たい。現状に対する不満や疎外感、疑問が新しい発想を生む
・我慢して若い人が仕事を覚えるのを待ち続ける。気付くのを待つ。単なる「いい人」にならない
・上司や先輩の懐に飛び込む
・本心に従う。無理して頑張っても疲れるだけ。自分が笑顔でいられる状況を作る
・相手に心を開いてもらうには褒めること。質問して相手にたくさん喋らせる
・顔が見える、人が見える、会話がある職場。日替わりヒーローを出す。たくさんヒーローを作る
・自分の分身を何人も作る
・人を巻き込む:情熱をもって語りかけ、本音で話せる関係を作り、心のスイッチを探して押す
・イヤな時間がただ通り過ぎるのを待つのだけはゴメンだ
・出会うだけでは終わらせない。次の段階に向けてのスタートラインにする。相手の志や物語と自分のそれとを擦り合わせる。接点を探す
・自分に足りないものを知るためのアンケート。課題克服のためのヒント。コミュニケーションが取れているか?取れていなければ理由は?改善するには?
・プレゼン内容の3要素:目的、構造、相手にして欲しいアクション
・仕事の意味や価値を見抜く能力:報酬に見合うか?クライアントにとって価値があるか?
・断るだけでなく、代案や新しい提案を出す
・ワーク・ライフ・バランスの「ライフ」の部分は自身のセーフティネット
・自分の殻やつまらないプライドに閉じこもらず、弱さや課題を素直に認めて相談する
・創意工夫をしたり、リーダーシップを持って人を率いることができる教育
・効率的にものを考えられるのが専門家
・自分が1万時間かけられる分野を探る
・自分と違うタイプや分野の人と接していると、自分が見えてきたり、発見できることがある
・若者がマイノリティになっている。若者に雇用が回らない。そんな若い層からお金を取って、年寄りの暮らしを助けるのは社会の仕組みがおかしい
・「おかしい」ことをおかしいと大合唱する。どうすればその状態から抜けられるかを当事者が考える仕組み作り
・論壇や第三者のオピニオンを応援する組織、運動に携わる人たちが食べていける仕組みを作る
・日本人全体に幸福感が低い。自分より不幸な人がいると安心して、そのまま
・昨日より今日のほうが「できること」が増えている
・本音をぶつけ合いながら、一致点を見つけ出す努力
<その他>
・自分ブランド=人格?
-目次-
第1章 藤巻幸夫の仕事学 〜自分ブランドで人を巻き込め
1─ 自分ブランドを構築せよ
2-人心を巻き込め
3-志をつなげ
勝間和代による藤巻幸夫の紹介&Translate
第2章 勝間和代の仕事学 〜課題を克服し、小さな前進を重ねよう
1─ 自分を見つめ、問題を解決する
2─ 優先順位を見きわめる
3─ 行動は、着実に自分と社会を変える
藤巻幸夫による勝間和代の紹介&Translate
第3章 勝間和代×藤巻幸夫 トランスレーター対談 〜幸福度10倍アップ仕事学
・不安の多い時代だからこそ、「仕事学」が求められる
・型破りな人材がイノベーションを生む。だが「型」がなければ……
・日本の良さを掘り起こす(藤巻のミッション)/声なき声を集める(勝間のミッション)
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