読書メモ ・「日本経済の真実 ―ある日、この国は破産します」 ・スウェーデンの消費税率は25%、これで全ての社会保障を賄う。日本の消費税は5%だが、それ以外にも負担が多く全体で4割近い。 ・年金総額が元々の精度設計時に比べて、想定を遥かに超えた。平均寿命が飛躍的に延びたため。掛け金が長年低く抑えられ、給付水準が不当に引き上げられてきたため。 ・GDPの三面等価の原則:生産、分配、支出の額は同じ。生産されたものが国民に分配され、国民が支出する。 ・GDPは国の景気の実態を掴むには「国内で生み出した価値」を測るのが適切と考えた。国内の人々が豊かになるにはGDPを増やす必要がある。国内雇用が大切 ・見かけ上の数字(名目)と、物価の動きを勘案する「実質」GDP ・GDP成長を支える3要素:労働力・生産設備の増加、技術向上 ・貴重な技術をやすやすと海外に流出させてしまっている日本企業 ・企業の金融資産766兆円、政府の試算が475兆円。その裏にはそれに見合う金融債務(借金)がある ・1441兆円の個人金融資産のうり、375兆円は住宅ローンとして使われている。1000兆円が純粋な金融資産。政府は979兆円の借金があるが金融資産を持つから純粋な借金は500兆円。 政府の金融資産は公的年金の積立金など、国民が将来に備えて貯めたものであり、結局、国民の貯蓄である。 ・国の成長につながる投資のために資金を一時的に調達するのは健全な借金 ・日本の国債の9割は国内で消化されている。政府が借金を返せなくなっても困る国はない。救いの手を差し伸べる国もない。助けようにも経済規模も大きすぎる。 解決手段は大増税かハイパーインフレ。国債を沢山発行すればするほど高い金利をつけなければ売れない。 ・10年満期の国債の金利は1〜2%。デフレのため実質金利は2〜3%。低くはない水準。 ・政府紙幣発行は日本円の信用を低下させる。円は暴落、物価は暴騰。石油・食料を輸入に頼る日本には致命的 ・戦後、日銀引受による大量の国債発行がインフレを引き起こした ・金利の高い国の通貨は高くなる ・求職期間を考慮すると労働力には3〜4%の失業率があるのが世界的に見て普通 ・民間企業の設備投資は景気の見通しに左右されやすく、短い周期でGDPを大きく変動させる ・経済を安定的に成長させるには潜在的な成長力を高める以外にない ・潜在的な成長力に本質的な問題が起きているからデフレになっている。国内で生産効率を上げて値下げしても間に合わない。政府の積極財政もその場凌ぎにしかならない。 ・法人税引き下げで企業の投資資金を増やし、それで成長した分のGDPの配分を受けた家計から税金を取るのが世界の潮流 ・法人税が高いと株式で資金調達するコストが高くなる。成長資金が不足して国際競争力が落ちる ・戦後、1945〜1949年までに消費者物価は100倍になった。郵便貯金は価値が吹っ飛び、国債は紙屑同然 ・日本の郵便料金が他国より高いのは多くの無駄や既得権益が隠れていることを示す(→年賀状は大きな収益源だろう) ・民主党のマニフェストんは消費者へのパイの配分を重視した政策が並ぶ。大部分は将来の税収増に結び付くものでなく、経常的に発生する経費や減税。財源に不安。 ・子供をもっても安心して働ける環境を整える方が、労働力を増やし、経済を成長させる ・政府はビジョンを丁寧に説明すべき。努力不足。マスコミの追及も弱い。怠慢 ・分配優先で成長戦略が見えない民主党への不信感 ・米国は未来の大企業を育てる意思と精度を社会が持っている ・シャッターを下ろしたままの商店の固定資産税を増やせ <感想> ・少子高齢化時代、伸ばすべきは一人当たりのGDP -目次- 第1章 暴論に騙されないための日本経済入門 第2章 歴史から学ぶ ―なぜ日本はこんな国になったのか 第3章 日本沈没を食い止めた小泉・竹中改革 第4章 政権交代への失望 第5章 日本を滅ぼす5つの「悪の呪文」 |