読書メモ

・「資本主義崩壊最終ラウンド
(船井幸雄:著、徳間書店 \1,600) : 2010.12.23

内容と感想:
 
船井幸雄という人がこんな「とんでも」なことを書く人だとは初めて知った。肩書きは経営者、企業コンサルタントということだったが。 のっけから「聖書の暗号」とか「日月神示」とか書いているものだから、引いてしまう。 中身をよく調べずに買った自分が悪いのだが。 朝倉慶氏や、増田俊男氏、副島隆彦氏らのレポートや著書からの引用が多く含まれている。 おそらく本書は著者を崇め奉る人々向けの信仰の書のようなものであろう。

○印象的な言葉
・今回の経済恐慌は回復しない
・資本主義を支えていた「闇の勢力」の本体は去った
・アメリカはドルの切り下げまで追い込まれる。対外債務の負担を減らすため
・中国とロシアの軍事同盟で新たな冷戦が始まる
・農業者の人口と農協職員の数が同じくらいという不思議
・資本主義は成長すればするほど「天の理」に反するシステム。自然の秩序を破るまでに成長してしまった
・中国はアメリカの10年債など長めの国債は売り越している
・個別国(米国)のリスクから独立し、長期的安定を維持できる、主権を超越した通貨の創設
・4割も輸出に依存していた経済の中国が一番リスクのある国。失業者の増加からくる混乱
・米国がデフォルトを宣言する可能性。ドルをやめて他の通貨に変える可能性
・デリバティブで運用されている資産は2010年1月にかけて半減し、2013年にはゼロに近い状態になる。デリバティブは急激に萎んでいるが、初めから中身がなかった。
・米大統領の途中退任もありうる
・資本主義と共産主義はエゴを大切にする社会システムという点でルーツは同じ。共産主義はエゴを満たすために平等を大事にする。資本主義は自由を大事にする。 共産主義では共産党幹部のエゴが権力の集中と専制を生み、国民のエゴが生産性の著しい低下を招いた
・NATFA三カ国はユーロ圏に十分対抗する勢力となりうる
・中国は石油と天然ガスが不足し追い詰められている。ロシアと仲良くしたがっている
・中国では木材が不足し、シベリア地方のタイガに中国人マフィアが入り込み、切り倒した木が中国に持ち込まれている。同じことがインドネシアやフィリピンでも行なわれている
・2011年または2015年に中東で第三次世界大戦の可能性
・ホ・オポノポノ:ハワイの問題解決の方法。根底にある考え方は「100%自分の責任」
・中村天風:天風会を設立、ヨガをベースにした「心身統一法」の普及に努めた

-目次-
序章 “二つの真実”で私たちの未来の姿が見えてきた ―時流が大きく変わりはじめた
 “二つの真実”でわかった「この不況は回復不可能」
 九九パーセント以上の確率で近年中に資本主義は崩壊する ほか
第1章 いま、私たちは歴史的転換点に立ち会っている ―資本主義崩壊は何を意味するのか
 現実を直視して、いま起きている事実を知ってほしい
 資本主義の総本山アメリカで、いま起きている異常事態 ほか
第2章 資本主義崩壊の次のシナリオが見えてきた ―これからいったい何が起きるのか
 アメリカはドルの切り下げまで追い込まれる
 日本経済を奈落に突き落とす“オバマ・ショック”の可能性 ほか
第3章 何が起きているか、その本質に目を向けよう ―経済の大異変の次に起こること
 陰陽学の研究を三代にわたって続けてわかってきたこと
 いまのような経済の異常な状態を二年以上前に予測していた ほか
第4章 大転換のなかで、いかに私たちは生きるべきか ―新しい時代を迎える智恵と生き方
 素晴らしい時代を迎えるための「人間のあり方」五カ条
 ネガティブな性格は勉強と経験でポジティブに変えられる ほか