読書メモ

・「サラリーマン「再起動」マニュアル
(大前 研一:著、小学館 \1,500) : 2010.08.23

○印象的な言葉
・英語は最初は「聞く」。意味は考えない。語学は赤ちゃんが言葉を覚える順番で。聞く→話す→書く→読む。会話の自然な流れの中で覚える。思考の流れ。 分からないことだけを克服していくほうが効率的。分からない単語はスキップし、全体の趣旨を理解。大意を掴む。
・世界の標準語はブロークン・イングリッシュ
・英会話は相手がハイクラスになるほど、微妙なニュアンスをデリケートに使い分けねばならない。基本的に命令形を使う。
・35歳からはプロデューサー能力が問われる、構想力。5年後のライフスタイル像。発想とコンセプト。生活提案力。オーガナイザー
・ネットビジネスでは左脳型商品しか売れない。どこで買っても同じもの。右脳型商品は感性に左右される。触ったり身につけてみたりしないと分からない。
・健康な高齢者を対象にした巨大マーケット
・一人暮らしの孤独を癒すビジネス
・外向き・上向き・前向き戦略
・「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」(日本電産・永守重信社長)
・コーストダウン・モード(惰性走行)
・無風状態の日本、ぬるま湯、緊張感がなく、たるみ切っている
・仕事上の閉塞感から陥る無気力状態「魔の15年」(35〜50歳)。向上心や目標を見失う
・変化に柔軟かつ素早く対応できるプロジェクトベースの組織
・根本的に再起動するにはお金の使い方、時間の使い方、住む場所を変える
・経営にはカンニングもあり。一番うまく実行したものが勝つ
・リスクテイカー:人生はリスクをとるもの、自分のやりたいことをやる、死ぬまで自分の可能性を試す、失敗しても面白かったといえる人生
・自分の会社が切り取るべきテリトリーを定義、説明でき、行動につなげる。資金を集めて事業計画に落とし込み、実行までもっていく
・更地に誰も思いもつかないようなユニークな絵を描ける能力
・人生の3大経費:住宅、子供の教育、車
・親は子供にお金を使うのではなく、時間を使うべき。話す、考える時間。勉強、興味を持つ分野を広げることの大切さを自覚させる
・自らが生き延びることで精一杯の日本の金融機関は一般客に年利5%以上儲けさせようという気はさらさらない
・アメリカ最大の年金基金「カルパース」は1勝10敗の世界で、その1勝で稼いでいる。カルパースと同じ運用をすれば良い成績になる
・相手を征服できなければ味方にせよ
・政治家が消費税率引き上げの大合唱を始めているのは国民が慣れて来るのを待っている
・T型人間:幅広い知識や経験を持つゼネラリストであると同時に、何か一つ専門分野をもつ。専門が2つあればπ型。
・ビジネススクールで身に付けるのは実技。自分に足りないものが分かってから入学すべき
・問題解決力をひたすら磨いて変革の一翼を担う、チャレンジングな姿勢
・デジタルの世界では全く新しいトレンドを生み出し続けるブランドリーダーになるか、部品屋、受託生産屋に徹するしかない
・新製品開発は「千三つ」の世界。千のプロジェクトのうち成功するのは3つ
・松下幸之助は新しいプロジェクトのリーダーを選ぶときには自分の感覚に一番近い発想をする人間を選んだ。失敗したときに許せるから。
・革新的な商品開発するようなチームは対極的な人の組み合わせ
・ブレークスループロジェクトには創業者型のリーダーが必要。労務、技術、システム、顧客までえ全部自分で考えられる頭を持つ。その事業を会社を辞めてもやりたいという思い。
・GoogleはTVに特化した検索エンジンを開発している。広告を入れやすい。クリックされる確率も高まる
・ソニーが一時おかしくなったのはEVAというアメリカで流行した経営指標を導入したことで現場を忘れ、顧客から目を離して、株主価値を追求したから
・10年でその道の専門家になり、そこから総合力をつけてゼネラリストになる(総合力、経営力)。自分の年齢プラス・マイナス15歳の人を研究する。 上の世代は反面教師として、下の世代は自分とは違うどんな能力や価値観をもつのかを知る。
・オーナーシップ:自分がやらなければ、というメンタリティ。自分がヒーローになれる場所
・オルガナイズ・スモール:組織は大きくしてはならない(「エクセレント・カンパニー」)
・右脳を刺激するプランニング。新聞紙大の企画専用紙を横長にし、その左下から書き始める。15行のサマリーにまとめる。結論を一言で言う。結論に至った理由を3つに絞り込む。
・電車には進行方向左側の窓際に座り、外の景色を見るっと右脳が刺激される
・交渉は双方が互いにハッピーと言えることしかやってはいけない
・論理的に整理されて筋が通っていれば、受け入れてスピードをもって実行したほうが勝ち
・マイケル・ポーターらの経営戦略は陳腐化している
・デルのビジネスモデルは「商い無限」。PCを通した「よろず御用聞き」
・鴻海工業はOEMメーカーから、設計から製造まで手がけるODMメーカーに進化した。コンセプトさえ持ち込めば試作品を作ってくれる。金型技術が優れている。
・情報家電の素材・原材料は日本がシェアの2/3を占め、半導体やLCDの製造装置も1/2、基幹部品の1/3を占める。金型製造装置も大半は日本製。
・会社が希望退職を募ったり、早期退職制度を設けたら、自ら将来性がないと認めたことになる。その募集にはすぐに応じたほうがよい。最初のほうが条件がよい。
・旅行会社が顧客同士の情報交換用のチャットルームを設置・運営。ネットワークで組織化して、絶え間ない交流の輪を作る。 細かい分野ごとのナローサイト、シングルテーマパーク(→山好き限定の場。店員も輪に加わる)
・マーチャント@amazon.co.jp:アマゾンのサイト内に独自にテナント出店できる。アマゾンの受発注・決済システムが利用できる。アマゾンは総合ショッピングサイトになろうとしている。 楽天市場化(モール化)。アマゾンはGoogleも総合ショッピングサイトになろうとしていると考えている。
・eコマースの成功の鍵はポータル、決済、デリバリー。
・21世紀のビジネスは傑出した個人が引っ張っていく
・市場・事業を他に求める場合、4つの方法がある。対象世代をずらす、海外市場、周辺領域、新規事業。

<感想>
・TVやビデオ映像に思いつくキーワード等を検索しやすいようタグ付けするサービス
・DVDの字幕(映像とは分離されているはず)をテキスト化するツール。台詞を検索しやすくする。
・YouTubeの動画を解説するサイト。専門分野ごとに薀蓄を語る。広告につなげる
・自分で撮ったビデオや、作った音楽を広告主とマッチングする仕組み
・新サービスの企画書をどんどん目当ての会社に(履歴書代わりに)送りつけて転職する

-目次-
イントロダクション 志のあるサラリーマンは、きつい仕事を厭わない ―日本が“フリーズ”している今こそ、自分を向上させるチャンスだ 第1章 現状認識 なぜ今「再起動」が必要か? 第2章 基礎編 「再起動」のための準備運動 第3章 実践編 「中年総合力」を身につける 第4章 事業分析編 “新大陸エクセレントカンパニー”の条件 第5章 メディア編 「ウェブ2.0」時代のシー・チェンジ エピローグ 新大陸の“メシの種”はここにある ―ゆっくりと21世紀の世相と世界地図を眺めよう