読書メモ ・「新しい資本主義 ―希望の大国・日本の可能性」 ・中長期の資本市場を作れ。中長期的な視野に立った経営こそが王道。株主権を行使できるのは5年以上株式を保有している者だけにする ・IFX(インデックス・ファブリック)理論:ツリー構造でインデックスを構成、半構造データを効率よく、柔軟に扱える。柔軟で検索速度の速いデータベースを作れる ・PUC(Pervasive Ubiquitous Communications)アーキテクチャ:使っていることを感じさせず、遍在しているコミュニケーション ・スピルリナ・プロジェクト:高蛋白、高ビタミン、高ミネラルな藻。抗ウィルス作用、免疫機能強化作用がある(→食べて美味いのか?) ・教育、医療の遠隔サービス ・エネルギーと食糧は市場だけに任せるな。食糧需給が逼迫した場合、安全保障の問題にも直結しかねない。投機を排除した安定供給メカニズムを作るべき ・産業の中心にはなりえない金融業。経済学という「擬似科学」。金融工学にも危機管理のガイドラインを ・過剰流動性によってGDPは高いように見えている。GDPは実態を表わせていない ・コア技術とは、できた当初はそれをどのように応用すればいいのか分かりづらいもの。草創期は未完成で粗削りな技術のため可能性を軽視しがち。 実用化され、使い道が具体的に分かると応用範囲は広がる。 ・コンピュータ産業は衰退期に差し掛かった。ITの時代の終わりが始まったと見るべき ・新しい文化や科学技術の発展は様々な人々が集まり、融合した場所で起きやすい。異なる視点、文化的な背景が異なる人間が集まること ・時価会計や減損会計が主流になったのは日本のバブル期に金融機関が巨大な存在になったのを牽制するためだった ・リスクキャピタル制度(投資減税):投資を損金に繰り入れするのを認める(→国が税金を投入して支援するより、制度変更だけですむ) ・日本は世界と比較しても道路密度が高い ・これからの技術はソフトとハードが融合したエンベデッドなものになる。ハードがソフトの性能を最大限に引き出す ・コンピュータは構造化したデータを扱うのは得意。半構造、非構造のデータは苦手。構造化データで解決可能な問題は1割未満。 ・2040年から50年くらいにはデジタルの限界がくる。デジタルの発想の延長線では実現できないと結論づけるはず。アナログが見直される。 人間の神経の伝達速度はたった秒速2m。効率のよいアナログ制御。 ・途上国への農業援助は援助された肥料や農機具などを運用し続けることにお金がかかりすぎるのが問題 ・公益資本主義:会社の事業を通じて公益に貢献すること(→そもそも企業のあるべき姿)。公平性、持続性、改良改善性を価値基準とする ・今後も排出権取引を舞台にした金融バブルが続く ・まったく自由な市場はありえない。個人の自由を守り、経済の活力を高めつつ、資本主義と公益を両立させていく ・新しいことをリスクの取れる範囲でまず自分で最初に実験してみる。自分に出来ることをやる。一足飛びの空想に耽っても仕方がない。急がば回れ。 <感想> ・こんな日本人(著者)がいたのか!ビジョンがある。具体性がある ・かつてシリコンバレーを牽引していた中国人やインド人は日本にとって今後も脅威 ・マイクロクレジットは貧困化の進む日本でも必要になるのでは? -目次- 第1章 金融資本主義の何が間違っていたのか ―幸せは「数式」では表せない 金融資本主義の崩壊は必然だった ファンドを規制する具体的な方法 あの「幻のような好景気」の理由 第2章 「大減税」で繁栄する日本 ―次なる基幹産業の覇者となる方策 「金の卵を産むガチョウ」を生み出せ 「コア技術」を開発できる理由 「投資減税」で夢ある日本を 第3章 コンピュータはもはや足枷 ―新ビジネスを生み出す画期的コア技術は何か 「解けない技術」を解く技術 コミュニケーションの大進化 「実業立国」日本が世界を制する 第4章 途上国援助の画期的実践 ―日本人によるおもしろくて、採算も取れる活動を 最新テクノロジーで「貧困」に挑む 国連旗の下での民間による支援 マイクロクレジットを日本人の手で 第5章 公益資本主義の経営へ ―市場万能・株主至上の弊害を斬る 世の中への貢献こそが価値 すべての会社は「中小企業」になる |