読書メモ
・「無知との遭遇」
(落合 信彦:著、小学館101新書 \720) : 2012.11.22
内容と感想:
「恥の殿堂」の続編。
「日本には世界にはない素晴らしい考え方や商品が存在している」。
それに気付き、「発信の仕方を工夫すれば、まだまだ世界と戦っていくことができる」。
ジョークを交えながら、日本の危機的状況を痛烈に風刺している。
○印象的な言葉
・日本人にとって当たり前のことが世界からは驚嘆に値すると評価されるものがある。温水洗浄トイレは日本のよさが凝縮されている。
トイレという場所にまできめ細やかさや清潔さを求める。
・日本人は自分の長所に気付いていない。それをどう生かしていくかに鈍感すぎる。「日本にあって世界にないもの」はたくさんある
・トップの仕事は決断すること、責任を取ること
・中国に原爆を落とすことを主張していたマッカーサー
・ユーモアのセンスに溢れたユダヤ人。長く迫害されてきたため、明るく人生を乗り切る術を知っている
・国民が国会議員に対して損害賠償を起こせる仕組みがあればいい。政治家の報酬を出来高払いにする
・小沢や鳩山らが政治資金スキャンダルに見舞われながら表舞台に出てこられる日本の政界の感覚は異常
・ニーチェは狂気の中で悲惨な死に至った。考えるという行為を極限を突き詰めたから
・ギリシャの財政危機の引き金を引いたのはアメリカの投資銀行のあくどいやり口だった。日本も二の舞を演じることになる
・いい映画は観た者に問いを投げかけているか、観た者をどれだけ考えさせることができるかで決まる。人類にとって普遍的な問い
(フェデリーコ・フェリーニ監督「道」、「カリビアの夜」。「カッコーの巣の上で」)
・長く生きることに意味があるのではない。よく生きることにこそ意味がある
・ストリート・スマート:現場対応力を備える
・時代の真実を切り取っていくはずのマスコミ業界が最も閉鎖的で遅れている
・アメリカではマスメディアは国民の代表として政治家と対話しているという姿勢をもつ
・国民の命と安全を守るという国家の使命を遂行する上での無知ほど恐ろしいものはない
・政治家の無知がこの国を経済危機の真っ只中に放置している。若者の無知は国を変革するエネルギーを生み出さない。マスコミの無知が国民の知性や安全を危機に晒している
-目次-
第1章 政治の無知
ジョーク 日本の政治家の「脳みその値段」
なぜサッチャーはブレなかったのか? ほか
第2章 文化の無知
ジョーク 日本人が妻に話した下ネタ
カネで勲章が買える国へ ほか
第3章 若者の無知
ジョーク 長生きを望む草食系男子
世界にあり得ない若者 ほか
第4章 マスコミの無知
ジョーク スクープの価値
「小沢の乾杯」より報じることがあるはずだ ほか
第5章 情報への無知
ジョーク 謀報機関の仕分け
国民にとって一番危険な「無知」 ほか
終わりに 日本にあって世界にないもの
「当たり前」と「当たり前」の間のギャップを見つけろ
「もったいない」もヒントの一つだ
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