読書メモ

・「強運になる4つの方程式 〜もうダメだ、をいかに乗り切るか
(渡邉 美樹:著、祥伝社新書 \740) : 2010.11.11

内容と感想:
 
人生の中で「もうダメだ」と思える状況にぶつかることがある。 そんな壁や危機を著者は4つの方程式を無意識のうちに使い、乗り越え、 むしろその危機を好機にして成長してきたという。それが自ら強運だと言わしめている。 「ピンチをチャンス」にも変えてきたのである。 本人は運がよかったといっているが一方で、運は待っていても来ない、行動して掴み取るものだと、 行動の大切さを指摘する。
 その4つの方程式は生きる指針、行動基準とも言える。その4つとは、 「神様が応援したくなるような努力をする」、「原理原則を外さない」、「明るくて、人との出会いがある」、「心に一点の曇りもない」。 第2章から第5章までで、これら4つの方程式が、これまでの著者の人生でどのように活かされて来たのかが書かれている。 第6章は若い人の悩み事に答えるQ&Aになっている。
 社長業という山をずっと登ってきて、「なにかもっと高い山がありそうだと感じる」ようになった(5章)と語っている。 自分自身には120%の課題を課しているが、それでも「もっとできる、もっとやらなければという思い」があるという。 まだまだ現状に満足していないようだ。 既に外食のみならずビジネスを農業、学校、病院、介護の分野に拡大している著者であるが、 それでもまだやるべきこととはいったい何なのだろうか。

○印象的な言葉
・自分に起こることは全部いいこと
・よい流れを維持する。危ないことをしない。無理をしない。我慢
・自分らしくあれ。やましいことはない
・すべてやり尽くせば悔いはない、手を抜かない
・好きなこと、したいことをやっている、という状態がツキを呼ぶ
・一流の人間は混沌としている
・ストーリーを明確にすれば不安は消える
・いつも明るく
・特定有料老人ホームは自由競争になっていない。既得権がある。地方は収益が出ないため特定枠の取得競争が緩やか
・訪問介護は大手が参入すべきでない。それぞれの地域で個人が小回りよくやるスタイルが一番うまくいく
・駆け引きはしない。
・あらかじめ2つのシナリオを考えておく。違うことを想定しておく
・目先の利益を追い、小手先の手段を使うと、大きな流れに不自然な動き出る
・教師は切磋琢磨する機会がなく、教育に対する思いを忘れ、自分を磨くことを忘れている
・その人の能力の120%の課題を与える
・人間性を向上させるためには夢が必要
・会社が生き残ることより大切なことがある。自分らしいか。それでも会社を潰してもいいという腹のくくり
・ROI(投資利益率)が40、二年半で投資額を全て回収できる事業以外はやらない。税金を含めて5年で回収できるかを目安に、事業の継続・撤退を決める
・最初は理解できなくても、この人の言うことなら間違いない、と民が思うことが大事
・「これくらいでいいだろう」という慣れがハードルを下げ、会社をダメにする
・会社の存在対効果を最大にする
・介護はその人の一生、人生をお預かりしている
・大きなダメージは絶対に受けてはならないが、小さなダメージであれば、常に公開していけば大きなダメージにはつながらない
・損得を判断基準にするのではなく、善悪を基準にする
・何かを始めるとき、負の側面を見て、徹底的に消極的に考えるのが経営の基本。事業はマイナス思考で臆病に計画を立てなければいけない。計画をスタートさせたら、あとはプラス思考。 リスクは全部織り込んだ計画なのだから。
・目の使い方、座り方などで人物がわかる。その人の価値観、生き方、視点、魂を感じる
・謙虚な人、誠実な人は顔がすっきりしている。嘘をついている人、失敗する人は顔が歪んだり曲がったりしている。心の奥底の良心を咎めることがある場合、心の曇りとなる。
・自分の顔を見ることは、自分の状態を知ること
・落ち込むときには何らかの予兆がある。早めに手を打っておけば落ち込まない。今あるもの、できることを数えると安心できる。元気だ、恵まれている、等。
・家のように必ず戻るところがあれば気持ちをリセットできる
・プロは常に心と身体を一定にしておく技術をもった人
・自由になるお金がどれだけあっても、これ以上のものは買わないという一線。恥ずかしいと思う一線
・あれこれ悩み続けると邪念が入る。その日、その日で結論を出していけば自分を見失うようなことはない
・辛い、うれしいと思えなくなったら自分の限界
・どんな会社でも、会社が続いていること自体になにか(理由が)ある
・時間が有限だと思っている人は一流に近い
・悩むことは人生の無駄。負のエネルギーがたまり、運も逃げていく

-目次-
はじめに
1章 「コムスン買収」で改めて感じた強運
2章 【第一の方程式】神様が応援したくなるような努力
3章 【第2の方程式】原理原則を外さない
4章 【第三の方程式】明るくて、人との出会いがある
5章 【第4の方程式】心に一点の曇りもない
6章 【強運を引き寄せるために】悩んでいるあなたのために