読書メモ

・「気まぐれ「うつ」病 〜誤解される非定型うつ病
(貝谷 久宣:著、ちくま新書 \680) : 2010.12.24

○印象的な言葉
・疲弊性うつ病:オーバーワーク、疲れやすい、気力がない
・大部分の精神障害の原因が分かっていない
・パニック性不安うつ病:ドライブ中の発汗、窒息感、心悸亢進、死の恐怖。抗精神病薬が効く。自由に身動きができない束縛感のため発狂するのではないか。
・メランコリー型うつ病:優柔不断、決断力の乏しさ。八方美人的行動が続かなくなる。対人緊張。自己犠牲、他人に尽くす無理が破綻
・「不安」はその対象を未だ失っていない。失う可能性を想定したときに起こる。一過性。「抑うつ」は対象を失った結果生じる。持続的。
・脳の中の繊維連絡は環境の影響を受けて大きく変化する
・激しいストレスが加わると副腎皮質ホルモンが増加し、脳由来神経栄養因子が抑制され、海馬をはじめとする脳内の神経細胞が萎縮する
・認知には個人差がある。誤解や思い込み、拡大解釈
・自己主張や自己表現が上手になる
・これからまだ楽しいことがいっぱいある
・派手でなくてもいいから、そっと生きていく
・コーヒーを大量に取ると不安を誘発する
・言葉は優しく、態度は厳しく。禁止ではなく頼む。怒らず、悲しむ。
・過情報、高速、過密社会が不安を促進する
・3歳までに脳の9割が発育する。母親が十分に愛情を注ぐことが自我の確立に重要
・豊かさによって、精神に適度の緊張感を与えることができなくなり、不安・抑うつ発症を容易にしている
・子供中心主義の蔓延

-目次-
1 非定型うつ病とは
2 うつ病の症状と診断
3 非定型うつ病のさまざまな事例
4 非定型うつ病とメランコリー型うつ病との違い
5 非定型うつ病と他の精神障害との関係
6 非定型うつ病の原因
7 治療法
8 療養と看護
9 非定型うつ病は増えているのか
10 不安・抑うつ疾患の発症土壌