読書メモ

・「政権交代バブル 〜重税国家への道
(竹中平蔵:著、PHP研究所 \952) : 2010.01.11

○印象的な言葉
・最大のセーフティネットは教育と職業訓練
・撲滅すべき貧困
・地方債を含めた公費は毎年60〜70兆円のペースで増え、あと5年で債務残高は1,500兆円に達する。国民の金融資産総額に匹敵。 国民の金融資産という裏付けのない借金を背負う時代を迎える。国債が暴落する可能性も。
・正規雇用と非正規との制度的格差の是正
・GMやクライスラーのように一旦、破綻させることで、経営者の責任を問い、労働協約も反故にできる。組合の過剰な要求をご破算にする
・今後増大する医療費などの社会保障費を賄うには消費税25%も不思議ではない
・バブル崩壊の影響を長引かせたのは日銀、立ち直りかけた景気をその都度、潰してきたのも日銀。日銀には「手段の独立性」しか与えるべきではない。 政府が日銀に明確な目標を課す必要がある。
・地方分権で必要な財源は消費税が最適。法人税は企業分布に偏りがあり、都会と地方では税収に格差が生じる。
・社会保障は所得再配分の役割をもつ。それにふさわしい税金は累進課税できる所得税
・地方自治体の破綻法制をつくるべき
・地方分権のよさ:市民と自治体との近さを感じる。現場のことは現場で決める。チェック機能も働く
・郵便の取扱量は毎年3〜5%減り続けている。日本の郵便料金はアメリカの2倍
・アメリカの郵政は郵便事業のみ。金融部門をもたない
・郵政公社のファミリー企業に天下る官僚たち
・国民が悪いと政府が悪くなる(福沢諭吉)
・日本の所得補足率は外国と比べて驚くほど低い。戸籍制度を整備していながら納税者番号がないのはおかしい
・給与所得者の4分の1は所得税を納税していない(課税最低限に満たないため)
・フランスは半大統領制。大統領は外交、首相は内政に責任をもつ

-目次-
第1章 鳩山新政権が抱える不安 ―「期待」は果たして「希望」に変わるのか
 マクロ経済を論じてこなかった民主党
 財政・金融政策の弱点 ほか
第2章 鳩山政権による改革のゆくえ
 小泉改革を悪に仕立て上げたのは誰か?
 郵政民営化に赤信号が灯った ほか
第3章 民主党がいますぐに取り組むべきこと
 改革をどう進めるか
 経済成長実現のために何をすべきか ほか
第4章 民主党に知っておいてほしいこと ―先例からの教訓
 「国家戦略局」という存在のあり方
 諸外国の事例―成熟した政権交代に学ぶ