読書メモ
・「デキる上司」
(白潟 敏朗:著、中経出版 \1,400) : 2010.08.13
内容と感想:
ご存知、「シンプルしかけ」の仕掛け人の著者による、上司と呼ばれる方へのヒント集。
これから部下を持とうとしている人、既にお持ちの方。なかなか部門の成果が出ない、という方にお薦め。
「シンプルしかけ」シリーズ共通の簡単実行、抜群の効果、楽々継続というのがポイント。
本書では、「部下のやる気を引き出す20のシンプルしかけ」を用意している。
「デキる上司」を次のように定義している。
成果を確実に、継続して毎年、出し続ける上司。
上司一人だけが「デキる人」になってもしょうがない。会社なり、組織なりにいるのであれば。
上司一人で頑張るのは厳しいので、部下が成果を出してくれる体制をつくらなければならない。
部下を理解し、部下同士も理解を深めて、チームが一体となって結果を出し、全員で成長する。
仕事で面白かったこと、頑張ったこと、伸びたと思うことを書くシート「伸びたくん」や、
会話の架け橋にするためのシート「公平くん」、360度評価に使う「オキテ評価シート」、
相手の長所を知らせてあげる「お知らせシート」、「長所/強み発見シート」などのツールを
しかけとして使っている。どれもすぐに始められるものばかり。是非お試しを。
○印象的な言葉
・世の中にある様々な誤解は、会話の時間が足りないことに起因。仕事にもミスが生まれる
・ザイアンスの法則
・机の横に折りたたみ椅子を常備。部下と座って落ち着いて話せる
・メールばかりだと誤解のもとになる
・労働衛生学の成果:やらされ感の強い仕事、やりたくない仕事をした場合、生産性は1/3、疲れは3倍になる
・部下を含めてみんなで部門目標を作る。自分で決めた目標なら頑張る。目標を考えるにはいつもの会議室ではなく、場所は変える。服装もカジュアルで、ドリンク&フード付きで。
・「君なら出来ると思ったのに」と叱りながら、褒めていることにもなる。部下の良い点、頑張った点を褒めて、聞く耳をもってくれるようにして叱る。期待していることを伝える。
・得手に帆をあげて生きるのが最上(本田宗一郎)
・ファーストクラス・カード:ホテル「リッツカールトン」で使われている、仲間に感謝を伝えるためのカード
・褒める:叱る=4:1
・部下が根負けするまで繰り返す。「今日の新聞の一面読んだ?」「ためになったこと、役に立ったことはある?」。部下に本を薦める
・コツの発表会:実践的な勉強会、即成果につながる。個人の経験や知識など属人的な部分を共有化
・部下とじっくり話しをし、悩みや思いを聞き、部門の目標・方針を理解させ、仕事の指示を説得し、承諾させる。やりたいことをやらせ、褒めて認めて、成長してもらう
・部下の尊敬・信頼を得るには公平、ルール順守。最低限守らないといけないルール、ベスト5(ベスト3)。部門のオキテ。違反者にはこっそり伝える、壁に貼り出す、人事評価で減点。
・部下一人一人に目を配り、声を掛け続ける。健康や業務の状態の確認、課題の確認とアドバイス、問題発見と改善のための意見交換、組織の方向性の伝達
・部下がもつ素晴らしい能力、長所を本人に知らせる。気付かせる。部下同士でやってもよい。
・自分の短所を確認すると、相手の短所を見なくなるもの
-目次-
第1章 本当の「デキる上司」とは?
上司と部下は基本的になにがちがう?
「デキる上司」ってどんな上司? ほか
第2章 部下とじっくり話そう
○○さん、おはよう!
最近どう? ほか
第3章 任せて、認めて、成長させる
伸びたくん
(ごめんっ、あなたのこと)よく知らないから教えて ほか
第4章 「公平」が部下の尊敬を集める
上司も部下も「さん」づけ
こうへい(公平)くん ほか
第5章 成果をあげる最強チーム
お知らせシート
長所/強み発見シート ほか
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