読書メモ ・「本質を見抜く力 〜環境・食料・エネルギー」 ・自然状態を元に戻すという考え方は危ない(→不自然) ・温暖化対策にお金をかけることの愚かさ ・京都議定書は詐欺 ・この150年間、人口はバブルだった ・人材の画一化が問題 ・日本の農業でアジアの貧困層を救え ・昭和15年時点ではアメリカが圧倒的な産油国だった。アメリカの覇権は石油から始まった ・ヒトラーが独ソ不可侵条約を破ってソ連侵攻したのは石油が目的 ・満州の大慶油田が見つかっていたら日本は戦争をせずに済んだ ・アメリカの農業で汲み上げているのは化石地下水(二度と回復しない水)。いずれ農業は立ち行かなくなる ・アメリカでT型フォードが作られた頃、鉄道網が広がっていたが、石油会社が買い取って潰していった。インフラが石油依存のため、それが切れたときのショックは大きい ・江戸時代末期、人口は3千万で横ばい。子供を間引きしていた。森林資源が枯渇し、それ以上の人間を生かすエネルギー容量がなくなっていた ・西日本には原生林が残っていない ・過疎の村に送電するロスは莫大 ・波、潮汐による発電は単位面積あたりのエネルギー量が小さい ・GDPと炭酸ガスの排出量は比例する。経済成長と排出量削減は両立しない ・温暖化で困らないなら、困らないとはっきり言うべき ・問題は雪が降らないこと。水の問題 ・日本女性には今結婚して子供を作るのは危ないという直感があるのでは?子供が幸せになれるか分からない。生物的な直感 ・人口を減らすと人間も劣化する。使い道のある人も減る。社会が劣化する。野心的な人も少なくなる ・日本は資源が何もなかったから列強の餌食にならずに済んだ。英仏がその気になれば分割統治は始まっていた ・下克上の世で朝廷や仏教の権威が否定されたこと、戦国時代は個人の能力を評価する世であったことが明治維新の国民国家形成のベースになった ・信玄は信玄堤を造ったとき、民衆にお祭りをさせた。堤防を踏み固める目的もあった。インフラを地域住民に自然な形で維持管理させるシステムを作った ・敵を作ると敵に対応するエネルギーが必要になり、自分のやりたいことへのエネルギーを消耗させる ・日本人が四足の動物を食べなかったのは縄文人の食べ物だったから?彼らを一歩下に見ていた ・日本の過酷な四季。年がら年中忙しい。日本人が諦めやすい、すぐに忘れるのは自然災害の存在が大きい。気にしていたら生きていけない・お互い様。 ・日本人が馬車を作らなかったのは去勢の技術がなかったから。馬は危ない乗り物だった ・日本人は小さいことを美しいと思える民族 ・持続可能性を保つならものを動かさないほうがいい。移動のエネルギーを少なくする ・パレスチナ問題は水問題。イスラエルがゴラン高原の水資源を握っている ・水の限度が中国の限度 ・農協は化学肥料を安く買って農家に高く売りつける商社のよう ・ほどほどがいい ・海岸をコンクリートで護岸したり、海砂利を採取し続けた結果、アサリ自給率は3割に ・山林の地主は亡くなると相続税をキャッシュで払う必要がある、山林を安値で叩き売らざるをえない。それを中国資本が買って、木だけを持ち出したら? ・山林をきちんと間伐し管理することは国への投資、国土の保全 ・日本の土地取引の商慣習は借り手が強い。うかつに貸すと売りたいときに売れなくなる ・耕作放棄すると地力は回復せず、害虫の巣窟になり、周囲の農地も傷めてしまう ・漠然と将来の転用を期待して単なる資産として農地を持っている人たちが多過ぎる。それが農地の有効利用を妨げている。有効利用されれば生産費は半減できる。 ・民主主義の2要素:私権の主張、参加民主主義。参加民主主義の欠落が日本社会の深刻な病理(→自分勝手)。社会全体が責任逃避癖 ・先祖伝来の土地といいながら、戦後、農地改革で一度断絶しているはず。土地への愛着とはよこしまな動機を隠すための美しい言葉。 ・外国人就農は法治国家とは思えない無秩序状態 ・農業従事者は弱者という誤ったイメージが刷り込まれている ・社会科学はしばしは恣意的な学問になり、自分の筋書きに都合が悪い要素を無視する。マルクシズムは典型。帰納的に下から積み上げる学問は普遍性を得る ・文明は下部構造(安全、食料、エネルギー、交流)と上部構造(すべての人間活動)で構成される。下部がインフラ <感想> ・環境・食料・エネルギーをテーマにした対談。「参加民主主義の欠落は日本社会の深刻な病理」、「日本社会全体が責任逃避癖に陥っている」というのは耳が痛い。 ・雨どいで雨水を集めて水車を回して発電 ・農水省のお金で農地整形してもらい、ショッピングセンターや大型公共施設に転用されるとしたら、錬金術。許せない -目次- 第1章 人類史は、エネルギー争奪史 第2章 温暖化対策に金をかけるな 第3章 少子化万歳! ―小さいことが好きな日本人 第4章 「水争い」をする必要がない日本の役割 第5章 農業・漁業・林業 百年の計 第6章 特別鼎談 日本の農業、本当の問題(養老孟司&竹村公太郎&神門善久) 第7章 いま、もっとも必要なのは「博物学」 |