読書メモ

・「フィンランド豊かさのメソッド
(堀内 都喜子:著、集英社新書 \700) : 2010.08.28

○印象的な言葉
・学習到達度調査(PISA)でフィンランドの中学生が世界トップ
・親とは同居しない。介護はプロに
・首都ヘルシンキ。人口500万人。多くは南の方に住む
・冬至の頃は薄暗い日々が続く。気が滅入り、疲れやすく、ウツ気味になる人が出る
・ささやくような声で話す。抑揚は少ない。公用語はフィンランド語とスウェーデン語。フィンランド語は文法が複雑、変化が多い。多くのフィンランド人は英語が話せる。 フィンランド語はローマ字読みすればいい。敬語はあるが、敬語を使われることを気持ちよく思わない。沈黙を好む。子供ももの静か。子供を叱るときは小声で短く注意する。
・フィンランドは国家財政の管理がうまい。政治はクリーン。IT化政策、高齢化社会対策が万全
・森林業は主要産業のひとつ。木材は日本への三大輸出品のひとつ
・失業率は6.4%(2008年2月)
・1917年、日露戦争やロシア革命で混乱するロシアから独立。第二次世界大戦ではソ連を相手に戦った
・1990年代初めに経済危機に襲われた
・小中学校では教科書の使いまわしは当たり前。小学校には教師の他にアシスタントが付く。保護者にボランティアで授業に参加してもらうこともある。 小学校の授業時間は少ない。塾もない。家庭教師もいない。 中学校には部活動はない。高校受験もない。高校進学率は日本より低い。将来更に進学したい人だけが高校に行く。手に職をつけたい人は職業専門学校へいく。 高校入学試験はないが、卒業試験がある。その結果は大学入試にも使われる。
・テレビは他国の番組の放送が多い
・徴兵制
・公立大学の授業料は無料。私立大はない。大学内の医療は無料。公共交通機関の運賃、学内での食事代は半額
・国は国民の再教育を奨励。いくらでもやり直しがきく社会
・物価は日本と同じくらい。社会福祉が充実しているためお金の心配をしなくても生活できる。将来のためにお金を貯めるという感覚はない
・公共の医療機関は料金が安い
・夫婦共働きが当たり前。母親と子供にやさしい国。女性は経済的にも精神的にも自立している
・高齢化が進む。高齢者の雇用促進にも取り組む
・国会は一院制。大統領の権限は弱く、実質的な政治の最高責任者は首相
・主食はジャガイモとパン。食文化は重要視されていない。外食もあまりしない
・スウェーデンに対して妙な敵対心をもつ。昔、長い間、彼らに占領された時期がある
・森林の6割以上は私有地。森林をキチンと管理すれば援助金をもらえる。いつでも誰でも森に自由に出入りできる権利が保障されている
・別荘をもつのはごく普通のこと
・治安はよい
・家族の生活や自分の時間を大切にする
・気負いがなく、真面目だが頑張らない。肩の力が抜けている

-目次-
第1章 不思議でとても豊かな国 ―失業率二〇パーセントから国際競争力一位へ
 もっとも近いヨーロッパ、隣の隣
 日本語と音が似ている、おかしな言葉 ほか
第2章 学力一位のフィンランド方式 ―できない子は作らない
 工夫をこらしたクラス編成
 制服も校則もなくあまりに自由な中学・高校 ほか
第3章 税金で支えられた手厚い社会 ―独立心が旺盛でたくましい女性
 高い税金だが、使途はガラス張りで
 子どもには国から養育手当が ほか
第4章 日本と似ている?フィンランド文化 ―異文化コミュニケーション
 なんとも不思議なフィンランド人
 森の豊かさと、体感できる季節の変化 ほか