読書メモ ・「衝撃!EUパワー 〜世界最大「超国家」の誕生」 ・リスボン条約:国家主権よりEUの条約を優先するよう定めている ・EUはそれぞれの地域が大きな自治権限を持つ、連邦スタイル ・EU非加盟のノルウェー:産油国で経済的にも豊か。加盟による人材流出や財政負担を嫌がった ・スイスも非EU路線 ・ドイツの賃金水準の10分の1のルーマニアやブルガリアがEU加盟。中国と同程度のコストで欧州内で工業生産可能。 物流が一元化されたEU内生産が有効。 ・ロシアもEU加盟の可能性がある。ロシアはEUの生産技術や経営力を求め、EUはロシアのエネルギー資源を求める。 →NATOはどうなる? ・EUは民族独立に同情的。EUの世論を見方につければよい。民族や宗教が異なる地域堂押しが無理に一つの国であり続けるより独立したほうがよい ・イタリア統一以来、最大の問題は南北問題。経済的に発展した北イタリアが払った税金を貧しい南に投入する構造 ・EU未加盟国の民族紛争を加盟を餌に鎮静化させる ・トルコ:人口7千万人。工業生産力もコスト競争力も中国に劣らない ・豊かな生活が手に入る状況が目の前に来れば、民族対立や宗教対立はほうり捨てる ・アラブ・ユニオン、中華ユニオン、インド・ユニオンを作れ ・インドの本当の敵はパキスタンではなく国内の階級対立。パキスタンを仮想敵として国内をまとめている ・日本円は準備通貨とは言えない水準 ・世界の民間銀行の通貨別資産額はユーロとドルは同等。公社債ではユーロがドルを上回る ・公社債投資では財政規律が高く、インフレの可能性の少ない通貨が好まれる ・エネルギー資源の世界ではユーロの存在感が上がっている。中東産油国もユーロ決済を求めるようになる。ロシアでも日常経済はユーロ・シフト。 ・GDPではEU圏がアメリカより大きい ・小口通貨が独立していると投機家に狙われやすい ・英国のユーロ導入保留は自国産業を衰退させ、長期的にはマイナス面が大きい ・EU諸国では域内貿易が65%を占める。ユーロ決済だから為替レートを気にする必要がない ・ユーロ導入までの過程ではかなりの期間、通貨バスケットが用いられた ・アジアは域内交易が50%を超える。そこではドル決済している ・ユーロ創設にあたってはEU内で経済的に最も強かった西ドイツが犠牲を引き受けた。アジアで地域通貨を作るには日本が犠牲を引き受ける必要がある ・規律なきドルや円は、ルールを実直に守るユーロに敗北する ・ジェネレーションE(Europe) ・EUのIASB基準を中心に世界の会計基準はひとつに収斂しつつある ・欧州の完成車メーカーはドイツ、フランス、イタリアにしか残っていない ・EUルールに適応する日本メーカー:イビデン、ダイキン、旭硝子、矢崎総業。欧州で成功する日本企業は完成品メーカーより部品メーカー ・自然エネルギーを主要なエネルギー源にするのはアイスランドやノルウェーなど特殊な条件を備えた国以外では困難。 アイスランドは水力と地熱で電力を賄う。ノルウェーは水力で賄う。 ・麦わらや堆肥を発酵させるバイオマス燃料も補助的エネルギーの域を出ない。太陽光発電も年間日照時間の多い地域の補助エネルギーという程度。 ・いざとなったら日本政府は徳政令を出して国民の金融資産をパクる。それでも日本人は円を見限って逃げ出すような国民性はない ・日本の厚生年金90兆円、準備金100兆円を国策ファンドとして世界へ投資すべき。資源を買え ・クロアチアには「アドリア海の真珠」と呼ばれる観光地がある。料理はイタリアの影響 ・モルドバ:経済的に遅れ、危険な無法地帯 ・ベラルーシ:独裁政権下にあり、外資がほとんど入っていない ・トルコ:徴兵制。軍国主義的。クルド人独立運動によるテロ。既にNATOに加入 ・テロの温床は貧困 ・EU内の国境を越えた人の移動は自由になったが、人は簡単には移動しなかった ・リヒテンシュタイン:税金免除を目的とした外国企業のペーパーカンパニーが集中。そらら企業からの法人税が国家財政を支える ・EUは税制でも域内で統合しなければならない ・アイスランドは捕鯨国。捕鯨問題への反発でEUに非加盟 ・ECBは外貨準備金を4〜5兆円しかもたない ・EU内には輸出主体でユーロ安を好む国と、金融主体でユーロ高を好む国が併存し、利害が一致していない ・ヘッジファンドの暗躍を阻止するには資金源の銀行を牽制。高倍率のレバレッジをかけている運用先を把握。 ・英国の銀行トップ3の金融資産総額は英国のGDPの3倍。スイスの二行の資産はGDPの7倍。巨大化した銀行を自国で救済するのは不可能 ・米国のシティグループやバンカメは活動は海外比率のほうが大きい ・日本の個人金融資産の増加は政府が信用されず、将来不安から金を溜め込んだ結果 ・EUは国別ではなく地域別に補助金を出している。500くらいの地域に分けている -目次- プロローグ 巨大国家、EU出現 第一章 超巨大マーケットの圧倒的パワー 第二章 国家を超えた国家 第三章 ドルの衰退、ユーロの台頭 第四章 真のグローバル経営はEUにある! 第五章 日本経済復活のフロンティア 第六章 中東欧・CIS諸国の地域分析 第七章 EUのリスクファクター 第八章 金融危機、克服の処方箋 エピローグ EUは日本の隣国になる |