読書メモ
・「「デキる人」の脳 〜読むだけでこの効果!」
(ノア・セント・ジョン:著、本田直之:訳、三笠書房 \1,400) : 2010.02.21
内容と感想:
従来の自己啓発書やセミナーを否定する自己啓発本(?)である。
モチベーションを上げたり、ポジティブ・シンキングだけでは成功できない、と言う。
それだけで終わってしまい、答えがないからだ。
その先で行動を起こすポジティブ・アクションが大事であり、
その元となる答えを見つけ、成功を阻む要因を取り除こう、というのが本書のテーマである。
本書が勧めるのは、自分にプラスの質問をすること。
つまり、「プラスの質問力」をつけるための本(訳者のことば)である。
本書ではプラスの質問のことを「アフォーメーション」と呼んでいる。
「プラスの思考回路づくり」、「正しい思考パターンをつくること」を重視している。
答えを見つけるのではなく、自動的に導き出す、というが、これだけでは理解しづらいだろう。
例えば、「なぜ私はこんなに豊かなのだろう」と質問する。
現実にはそうでなくてもマイナスに考えるのではなく、プラス思考でそれが実現したという前提で質問をするのだ。
それが脳をポジティブな思考に変えていく。
答えは待つだけ。脳が自動的に自分が持っているプラスのものを探しにいくという。
そして前向きな仮定に基づいて行動する。望みは明確にすることが大切だ。
各章の終わりには「アクションプラン」という課題が書かれていて、
成功者、デキる人になるために「今日から一週間のうちにできること」を挙げさせている。それも考えさせるための訓練である。
また、アフォーメーションの例もたくさん挙げている。
自分で質問を考えて、できるだけたくさん書き出すことを訳者は勧めている。
まだ私にはなんとも狐につままれたような話であるが、実際にやってみないことには効果のほどは分からない。
脳の仕組みを活用したものであることには違いないようだが、科学的ではないのだ。著者は脳科学者でもない。
そうした素直に見れないところが私が「デキない」要因かも知れない。
○印象的な言葉
・怠けグセの要因を取り除く
・アフォーメーション:自分のいい点に注意を向けさせるプラスの質問。答えを見つけるのは重要でない。脳の検索機能が自動的にプラスの答えを導き出す。
いつも目にするものに書いておく。持ち歩く。ちょっと時間があるときに考える。
・優しい鏡の法則:本当の自分を歪めて見せる”周りの人々”。周囲からもたらされる不正確な情報。人を信じ、人に信じてもらう。
自分を信じてくれる人々の支えを得る(→サポーター、コーチ、メンター)。励ましを得る。光る才能、素質、長所、資質、価値を教えてもらう。
・セーフヘブン:安全な避難場所。向上させてくれる人、現状に甘んじるのを許さない人。トレーナー。常に高いレベルを要求してくる
・やってみよう、やめておこうの天秤。利益と代価の天秤。
・成功者が他人に発する励ましは無意味。本人には間違っていないが、誰もが成功に向けて頑張ろうと強く願っているわけではない
・成功する方法を教える必要はない。それより心のブレーキを外すこと
・成功者が無意識に成功できるようになるには、4段階
・知りすぎているために失敗を恐れ、行動に移せない
・生活費を今の半分にしてやり繰りしてみる。制限があることでアイデアや工夫が生まれる。それでもやっていける。それでも楽しんで過ごせる。
・ポジティブ・シンキング:強引に言い聞かせる
・脳は質問されることを好む。質問により活性化する
・人間は自分を過小評価しがち
・頭の重荷:自分に対するマイナスイメージ
・自分を助けてくれたら、どんなに得になるか周囲にそれとなく知らせる
・同僚、部下、契約業者などに「私に足りないことがあれば言ってください」「十点満点の関係」
・人生の「5つのしくみ」(人、活動、環境、内省、合理化)を上手に回し、生産性アップ
・自分が認められるより、先に相手を認める
・何かを変えた、人の役に立ったと感じること
・時間は有限な資源。お金とエネルギーはいくらでも増やせる資源
・障害物、適切なツールがない(→そんなツールを提供するビジネス)
・恐怖は未来、怒りは過去についての感情
・人生の半分は後片付け
・内省の仕組みづくり:心の声を聞く。直感。自分を認める。1ミリでも進歩したこと。
・結果はコントロールできないが、影響を与える行動はコントロールできる。結果に対する自分の反応もコントロールできる
・ゴールフリータイム:目標とは直接関係のない活動
・「時間がない」と言うのは、それを優先するつもりがないこと
・身体・感情・頭脳・精神の4つのエネルギー管理:量、質、集中、目的意識
・心のブレーキはゴールが間違っている。望むことがゴールになっていない
・不安ゆえに本当にしたいことを遠ざけている
・「つまらない人間でいたいのか」と問いかける
・全ての人を喜ばせようとするのは失敗への道
・自分を消耗させる活動を減らし、肥やしになる活動を増やす
・尊敬する人を思い浮かべ、その人ならどうするか、こう考えるはず、と想像する
・自分にも他人にもノーと言える人:明確な判断基準を持っている。やるべきこと、やるべきでないことの区別。
・他人と比べて自分の足りない点ばかりに目を向けては逆効果
<感想>
・意識的に潜在意識(氷山の下)へ潜ってみる。潜在意識を活かしてみる、意識化する
-目次-
訳者のことば 成功する人の「脳のしくみ」が一冊でわかってしまう! ―本田直之
1 三%の人だけが知っている「脳」と「心」の活かし方
2 ステップ1 頭のいい人が習慣にしている「脳を元気にする質問」
3 ステップ2 あなたを大きく成長させる「マインドの高い人々」
4 ステップ3 毎日をラクに、生産的に過ごす「5つのしくみ」
5 ステップ4 脳の力を高める「オフタイム」のつくり方・使い方
6 ステップ5 人間関係のストレスを減らす「シンプルな考え方」
7 ステップ6 本当に大切なものを手に入れる「ノーと言える力」
8 ステップ7 デキる人が実践している「脳を熱中させる方法」
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