読書メモ ・「だれかを犠牲にする経済は、もういらない」 ・「新しい資本主義」をバングラデシュで実践(原丈人)。先端技術で途上国の教育、医療等々の問題に貢献。途上国には腐敗政権がとても多い ・世界最先端技術でザンビア(アフリカ)に輸出産業を興す(同)。ザンビアは政治が安定。南部アフリカ開発共同体の中心に位置する。主産業は資源輸出。 ・ペコペコ哲学で自分をかわいがる(金児昭)。ペコペコ外交 ・マクロ経済指標では見栄えのよい数字を見せるテクニックが駆使される傾向がある ・アメリカでは2010年度末にかけて商業用不動産の価格が下落する。貸し出しの多い地方銀行が危機に陥る。投資家は株式に向かう。 ・アメリカの金融財政政策の要職はウォール街の代弁者が占める ・「儲けること」だけが自己目的化したアメリカ。規制当局より金融機関のほうが利口。ウォール街は規制の網の目を必ずくぐる ・「公益資本主義」の理論体系の構築。心理学や社会学、組織論など学際的なアプローチも必要。 ・節税対策、イメージアップ対策の美化されたものがCSR ・BOPビジネス(途上国の低所得者層相手のビジネス)も見せかけ。商品を小口にして販売しているが、無駄の多いビジネス ・途上国で広がっているマイクロファイナンスも多くが株主利益最大化のツールになっている。貧困解消にはつながっていない ・DEFTAパートナーズの事業モデル:収益事業を途上国に設立し、その利益を使って教育、医療等々の公益分野に投資をしていく。貧しい人にお金やものを与え続けても自立できない ・KDDIもbracNetに出資。KDDIは世界戦略の一つの柱に位置づけている ・XVD:映像圧縮技術。H.264より優れる。国際標準規格H.264は情報通信分野の一部の大企業が戦略的に決めたもの。必要なない機能までたくさんあり、使いにくい。 最大公約数的。 ・グローバリゼーションで熱帯起源の病原菌が世界に広まる。熱帯医学の研究は世界の医療のために欠かせない ・「社会をよくすること」が目的で、「儲けること」はその手段 ・遺伝子治療が何年もの間、安全性を確認してから世の中に出されるように、金融工学を駆使して作られた金融商品も慎重にシミュレーションしてから限定的に世の中に出すべき ・ビジネススクールに洗脳されてはいけない。彼らがどんな発想でビジネスをするのかを知るつもりで入るのならいい ・ディズニーランドは夢のある世界を作り出すために、新しいテクノロジーを積極的に取り入れている ・ルールにも理不尽なことはたくさんある。周りがしているから、皆がそうだから、と一方向に振れているときは危険な兆候 ・目の前のことを一生懸命にやる。心の中では将来のデカい夢を見る(金児昭) ・日本語で仕事ができない人間は外国でも仕事はできない。自分の得意な分野を自国語でしっかり表現できるようにする ・出来すぎる先輩の真似はしない、自分を可愛がる、ない知恵は絞らない(金児昭)。ないものねだりしない ・過度な正義感をもって自分の首をかけて上司と一戦交えても、部下に勝ち目はない。クビになっては元も子もない ・真面目さは力を与えてくれる。真面目な人が最後は強い。ブレない。そうした人には誰も反論できない、文句のつけようがない ・上司とは気に入らないもの。上司とソリが合わない、仕事が面白くない、それだけの理由で会社を辞めてはならない ・グローバルな公認会計士は監査報酬をくれる経営者にいい顔をしながら、国際会計基準を作っている ・社長が「コンプライアンスを守る」と宣言すれば、それで95%の内部統制は終わり。内部統制のためのコストをかけ、部署をわざわざ作り、従業員同士が疑いの目を持ち始めると、 従業員の士気が低下する。 ・国際基準は何でも素晴らしいと思ってはならない ・今回の世界大不況は欧米企業の内部統制の大不足によってもたらされたもの ・世界のCO2排出削減量が目標を達成してしまったら、CO2排出権の価格は原理的にはゼロになる。いずれゼロになるものに人為的に価格をつけて取引するのは無理がある ・日本はいかがわしい排出権取引によって膨大な排出権を買わされる。膨大な富が国外に流出する ・「明るいニヒル」が世の中をよくする ・相手のフィールドを大切にする。相手の考えを斟酌しながら、無理はせず自分の主張を柔らかに伝えていく ・コンピュータで最も利用頻度が高く、ユーザに重要視されているのはコミュニケーション能力 ・PUC:ITは計算機能主義から通信機能主義へ。使っていることを感じさせない(パーベイシブ)で、どこでも遍在する、使える(ユビキタス)通信機能。対話通信機能を最適化するために 作られたアーキテクチャが必要。ハードウエア間のデータ構造の互換性を維持する必要がある ・小型で複雑なハードウエアを作る能力をもつ国しかリーダーになれない。日本の優位性は高い。世界各地から優秀な人材を確保し、経済特区や税制優遇などを考えるべき ・中長期の研究開発や未来の基幹産業を作り出すような技術に投資する場合、その投資は損金扱いできるような仕組みが必要。メリハリのきいた法人税減税となる。傾斜生産方式の税制版。 個人投資家にも適用し、税額控除や所得控除できるようにする。 ・中長期の研究開発を行なう企業を支援する新しい株式市場を創る。5年以上保有する株主だけが取引できるようにする。 -目次- 第1章 世界中に犠牲者を生み出す現在の経済システム 第2章 「経済」をまっとうな人びとの手に取り戻すために 第3章 何でも自分の頭で考え抜く----原丈人の原点 第4章 出たとこ勝負で道は開ける----金児昭の原点 第5章 日本が進むべき道 |