読書メモ

・「クラウド時代と<クール革命>
(角川歴彦 :著、片方善治:監修、角川oneテーマ21 \705) : 2010.10.23

○印象的な言葉
・薄れゆくアメリカ文化への憧れ
・「ロスト・シンボル」(ダン・ブラウン:著)
・ブラック・スワン現象:人間の知識や常識が危ういものであること。ありえないこと、極端な現象。卓抜した事業構想力やアイデアの部分に富が集中。
・情報安全保障
・情報植民地化の危機
・日の丸クラウド「東雲(しののめ)」(明け方の空):日本が自前でクラウドを構築することは危機管理上必要。国策として推進すべき。第一優先度の国家プロジェクトにすべき。 いずれは海外展開(→インフラ輸出。国民全体にメリットのあるプロジェクト。業者選択には苦労しそう)
・大衆がクールと賞賛するモノや出来事が社会を変革する「クール革命」
・大衆の気分とクール革命を見極める豊かな事業構想力をもった知的企業だけが生き残る
・手塚治虫は他の漫画家からも貪欲に吸収する創作家だった
・天才作家主義の日本に対し、アメリカ・エンターテインメント産業は作品の設定もストーリーも集団討議で決めていく(←意外!)
・最近、ハリウッド映画が日本でヒットしない。ストーリーが類型的、新しいスターが誕生していない、メッセージ性が薄れた
・文化的ガラパゴス現象の中からクール・ジャパンが生まれている
・新聞人や出版人の活字信仰は深刻、知識を独占してきた特権意識の呪縛にとらわれている
・スマートパワー:ハードパワーとソフトパワーのハイブリッド
・日本人は知識と情報の分野で、国を開く覚悟もないまま開国を既成事実として受け入れている。アメリカ勢のITサービスが欠かせなくなっている
・日本は著作権に関して本人に事前に許可を取らないと何もできない「オプト・イン方式」。アメリカ勢のYahoo、YouTubeなどは問題が生じてから事後に対応する「オプト・アウト方式」。 アメリカでは国民の大半がその恩恵を受けるなら認めるという「フェア・ユース」社会
・「知」のグローバリゼーションはあるとき、「平和」のグローバリゼーションと質的転換する可能性をもつ
・日本人は著作権の観点でコミケに寛容。本音と建前の使い方の柔軟さ
・社会を動かすには知的好奇心を持つ少人数がいれば充分
・Apple社の持たざる経営。ソフトウエアの力がハードの開発・生産を支配。緩い著作権管理技術で、ユーザに高い利便性を提供
・AmazonはGoogleの5指に入る大スポンサー
・本格的クラウド・コンピューティングへの事業転換にはとてつもなく大きな投資が必要でリスクを伴う
・米ヤフー「Pipes」サービスは、ユーザが簡単な操作で様々なサイトの情報を自分だけのサービスに作り上げることができる
・ユーザは対価を支払ったコンテンツ価値をしっかりと保証してくれるところにお金を払うようになる
・ネットはデジタル環境だから最も厳しい著作権管理が可能。行き過ぎた権利にしないよう警鐘を鳴らしてきたレッシグ教授
・全てのコンテンツがクラウド上のデータセンターに蓄積されるようになれば、著作権もクラウドで管理可能となる。そうなれば事業者も著作権者もユーザもハッピー。 ユーザは安価にコンテンツを楽しめる。広く、安く、あまねく著作権料を徴収できる。
・Googleへの無防備な信頼感
・果ての国:そこでは極端なことが起きやすい。平均値は無意味
・拡張可能な仕事:デザイン、企画、ノウハウやアイデア
・iPod、iTunesStoreは音楽の伝統的な販売システムを破壊(→音楽の質、文化も破壊していないか?)
・アメリカ人の所得の歪みの主な原因は情報技術の進化による
・政治に目覚めて、政治意識が高くなった大衆、自ら意見を述べるようになった、意志を持つようになった日本
・コンピュータは分散から集約に向かい、クラウド時代には統合される。統合の先には支配がある
・Googleは軍事国家アメリカの戦略計画に組み込まれた

-目次-
第1章 クール・パワーを新しい国力へ
第2章 新時代への予感
第3章 「知」のグローバリゼーションからは逃げられない
第4章 web2.0体験記
第5章 クラウドの奇跡
第6章 アメリカから起こる21世紀の産業革命
第7章 提言