読書メモ

・「ザ・チョイス 〜人生を決める16の選択
(ジョン・C.マクスウェル:著、齋藤孝:監訳、講談社 \1,500) : 2010.09.16

内容と感想:
 
著者は「人を成功に導くものは、正しく選択すること」であると主張する。 誤った選択をした結果、失敗したということは誰もが経験することだろう。 彼の考えでは、成功とは「心の充足を得ること」だ(金持ちになる、とかではない)。 とすれば「成功=幸福」とも言い換えてもいいだろう。 人生は選択の連続である。決断の連続と言ってもいい。
 著者は最も大切な選択は、自分が「どんな人間になるか」であるとしている。 なりたい自分になれたら、それは成功といえるだろう。 また、人間には「選ぶ自由」があるという。しかし数え切れない選択をしているうちに自分の核になる部分(なりたい自分)が 変化していく。それが良い方向につながるかは、自分の個々の選択にかかっているのだ。
 本書は成功のためのヒントとなる短いエピソードや金言を数多く収めている。 特に「選択の大切さ」に焦点を絞った言葉を集めており、著者本人の言葉だけでなく、 古今東西の成功者や識者の言葉も多く紹介されている。 これらの言葉が人生における判断の指針となってくれることだろう。 幸せな人生を送るために、自分の中に判断基準を確立するヒントにしていただきたい。

○印象的な言葉
・アフォリズム(真理を含んだ短くて断片的な文章)
・正しい選択に必要なものはセンス(方向感覚)と覚悟
・正しい選択をするために助けになること:「人間にとって普遍的な価値を持つ大切な言葉」を常に意識し、口に出してみること。勇気や情熱。
・まともな生き方、まともな選択を貫いていけば、その果てに成功がある
・ハンディキャップは自分(の心)が作るもの。限界は心の中で作られる
・人格は木のようなもの、評判は木が作り出す影のようなもの。影には実体がないが、木は本物である
・人間の真の価値とは全財産を失ったときに、どれだけその人に価値があるか
・良い人は他の人とは別のレースを走っている
・あの手この手の理論:一気におおきな進歩は難しいが、小さなことならいくらでもできることがある
・情熱は「しなければならないこと(must)」を「したいこと(want)」に変える
・勇気がないから難しいのである
・勇気とは馴れ親しんだものを手放す力
・疲れ切ってしまうことのない人間として歩む
・成長するための「熱」を手に入れる。「熱」をもっている人に近づく。共に過ごす、(テープやCD、本などで)考えを聞く。素晴らしい場所を訪ねる、イベントに参加する。
・自分の成長の段階に合った援助者を見つける
・人生の目的は勝つことではない。成長し、人と分かち合うこと
・利己的な人間は持っているものは所有物だと考え、利他的な人間は借り物だと考える

-目次-
生きる姿勢を選択する
人格を選択する
価値観を選択する
自己鍛錬を選択する
「状況に踏み込む心」を選択する
「素直に学ぶ心」を選択する
率先性を選択する
情熱を選択する
勇気を選択する
責任を選択する
成長を選択する
人間関係を選択する
コミュニケーションを選択する
励ましを選択する
奉仕を選択する
愛を選択する