読書メモ ・「うつ病治療 〜常識が変わる」 ・抗うつ薬の投与は基本的に一種類、が国際的にも大原則 ・抗うつ薬の安易な処方 ・患者は薬よりも話を聞いてもらいたい、アドバイスが欲しい ・テレビは映像で感情に訴える。一方で情報量が少ない ・脳血流でうつの症状を測定。近赤外線を利用。血液中のヘモグロビン濃度を測定。血圧計のように小型化できれば個人が自分で確認できる(⇒早期発見につながる) ・1970年代の米国、ベトナム戦争や不況でうつ病が急増 ・診断基準DSMは自己診断の蔓延を招いた ・社会が複雑になり、不安な状況が多々ある ・メンタルクリニックを商売の一つとしてビジネスライクに考える医師もいる。机と椅子さえあれば開業できる。検査機器も不要 ・医師の質をどう担保していくか?ガイドライン、研修。→専門医制度。講習会受講の義務化。資格の更新 ・精神科医と他の専門医との連携で早期発見(⇒毎日、家族も顔色をよく見るべき) ・安易に休ませず、生活のリズムを整えさせる ・SSRIの副作用。子供には有害 ・抗うつ薬の長期服用がうつ病を躁鬱病に変える ・ベンゾジアゼピン系の抗不安薬により、怒りっぽくなったり、攻撃的になる ・薬の副作用に関する情報システムに構造的な問題がある。不確かな情報を共有するシステムがない。医療関係者や患者から情報を吸い上げるシステムがない。 (⇒診察結果、治療履歴も共有すべき) ・行動療法、作業療法:身体を動かすことで回復を促す ・孤独感は回復を妨げる ・英国では心理療法士は国家資格。認知行動療法は医療行為として認められている。患者が自分の本当の感情に気付くのをサポート。落ち込むこと、晴れ晴れすることを記録 ・コンピュータを使った認知行動療法。コンピュータのガイドに従って一人で受けることができる ・日本では臨床心理士を雇っている医療機関が少ない。臨床心理士は働く場所が確保できない ・日本では「心理」に関する似たような名称の資格が多い。心理学界内の複雑な事情。医師の心理学に対する強い不信。心理療法は効果が科学的に立証されていない ・臨床心理士の力量不足 ・心のケアが必要な場所は増えている ・心理療法という選択肢が増えることは患者にとっては利益 ・CT、MRIは脳の働きをリアルタイムで確認できない ・人間関係の中で起きた病気は人間関係の中でやり直す ・うつ病に強い社会を作ることは、「絆の再構築」 <その他> ・医師が勉強不足なのでは?進歩しない医師が一番恐い ・ダメな病院、医師の情報公開・共有が必要。国や自治体が作るべき。NPO、カウンセラーでもいい ・薬の処方の仕方を見れば、ある程度、医師のスキルが判断できそう ・誤診や不適切な治療の発見には家族や職場のフォローが必要 -目次- プロローグ――うつ病はもはや“心のカゼ”ではない 第1章 “不適切”な投薬 症状を悪化させる多剤併用 第2章 クリニック乱立の闇 なぜ診断がバラバラなのか? 第3章 抗うつ薬の死角 封印されてきた危険な副作用 第4章 心理療法の壁 医療に心のケアが定着しない理由 第5章 うつからの生還 体験者たちが語る回復のプロセス 第6章 うつ病治療の新しい“常識” 先進医療の現場を訪ねて あとがき──うつ病に強い社会をつくるために |