読書メモ
・「ツイッター 140文字が世界を変える」
(コグレマサト、いしたにまさき :著、マイコミ新書 \780) : 2010.03.28
内容と感想:
ツイッターとは何か、その楽しみ方、ビジネス活用の現状、そして今後について書かれた本。
私も最近、ツイッターを始めたばかり。
最初はチャットやBBS(掲示板)と何が違うのか分からなかった(どちらも使いこなしてはいないが)。
第2章にツイッターは「今を伝え、今を共有するサービス」とその本質を言い表す言葉がある。
単なるつぶやきから、ツイッター小説に、ツイッターでスポーツ中継、など様々な使い方・試みがなされている。
「ミクシィ疲れ」からツイッターに流れてきている人もいるとか。
ミクシィなどSNSでありがちな面倒くささがなく、ゆるさ、適度な距離感のある関係性がウケているようだ。
リアルタイム性が高いため「そこに人がいる、というぬくもり感を感じることができる」とも言っている。
シンプルさ、懐の広さが売りである。
私はまだ冷やかしで、お試しの段階だが、
「マイペースでよい」と言ってくれているので、私もマイペースで使っていくつもり。
ツイッターも他のインターネット系メディア同様、質の確保が要求されるだろう。
情報の信頼性をどう担保していくのか。
多くの有名人も使い始めているようだが、一過性のブームに終わる可能性もある。
タイムラインに流れていくツイートを眺めていると、
常に移ろいゆく様は、まさに「消費される情報」だと感じる。
情報がもつ価値の賞味期限がまるます短くなり、すぐに陳腐化する。
第3章では「書き捨て」とも表現されている。
ずっとタイムラインを見ているほど暇じゃない。
第4章では「ユーザ層にまだまだ偏りがある」、すべての層に告知するツールまでには至らない、
重要な情報であっても「埋もれる可能性がある」と指摘する。まだ発展途上である。いや、ずっとこのままの可能性すらある。
ツイッターも荒れるのではないか、スパムもあるだろう、
悪意あるユーザもいるだろう、その対処をどうするのか、といった懸念をもったが、
サービスの仕組みとしてそうならないところがあるし、技術的な対策で対処できるようにもなってきているようだ。
大して活用出来ていない私が言えた身分ではないが、まだ実感はないが、それなりに使えそうでもある。様々な応用の可能性に期待も感じる。
一方で、週刊誌的な見方をすれば小泉元首相のような「ワンフレーズ・ポリティクス」の蔓延や、
熱しやすく冷めやすい国民性を助長する恐れを感じてしまう。
いい意味で「世界を変える」可能性も感じるが、危うさもある。
○印象的な言葉
・速報性。地震・天気・ニュース速報、交通機関の運行情報
・タイムセール情報の配信、近所のスーパーのお買い得情報(→地域限定のハッシュタグを付ける)。(→店が暇なときにせっせと発信する)
・自治体が住民へお知らせ、活動状況をつぶやく。(→有線放送に近い)
・短歌、俳句、超ショートショート小説。言葉遊び
・海外では携帯メールよりSMS(ショートメッセージ)が主流。160文字の文字数制限。ツイッターはこれが起源。
・テキスト主体のネットサービスに対して日本人の適応力が高い。日本人は日記好き、記録好き
・ツイッターは前後の文脈が分からない(→解説サイト、まとめサイトが必要)
・ブログ更新情報を流す
・インスタントメッセンジャー代わり、メール代わり、仲間内の連絡
・ツイッターは議論には向かない?
・ボットを作って秘書代わりに使う
・情報を出すことで入ってくる情報がある
・英語でつぶやいてみる
・ビジネス活用では導入コストが著しく低い。デザインも気にする必要がない。すぐに始められる。信頼。ユーザからヒントを得る、改善点を指摘してもらう、
育ててもらう、応援してもらう。雑談の中から生まれてくる「何か」。ツイッターは身近に感じてもらえる。(→人柄を伝える)。店員の顔が見える、顧客の顔が見える。
・ユーザが多いほど面白い
・多様な意見が出てこないと偏った場になる
・SNSなどで起こりやすいドロドロとした人間関係のいざこざ(→参加する人種が違う?サービスのシステムがそうさせる?)
・USTREAM:実況中継を見ながら、その画面でチャット。ツイッターとも連携。(→リアルタイムな集客力、動員力)
・リアルタイム検索:Googleですら持っていないもの。流行のトピック。
・日本語は少ない文字数で多くの情報を伝えることに長けた言語。同じ文字数でも英語の3倍の情報量。英語圏とは別の発展をする可能性
・便利なBOT:TwitterまとめWiki
<感想>
・人には聞かれたくないつぶやきもある。従来は自分の胸の内で消化してきたこと
・政治家のツイッターでの発言は言葉を軽くする?信頼を得られるか?いい加減な印象をもたれかねない
・一瞬も目が離せないサッカー中継には不向き。音声入力できればよいが。
・ツイッターでも炎上する。スパム・ツイッターはありえる。URL短縮サービスで悪徳サイトに誘導される恐れ
・ツイッターで深刻な相談は無理
・エンターテインメントに出来そう
・紙媒体がなくても紙メディア企業がやっていける可能性
・世界を変える可能性
・つぶやくより叫びたい
・皆がつぶやき続けることで政治を変えるかも?
-目次-
第1章 日本におけるツイッターの歴史
第2章 ツイッターとは何か?
第3章 ツイッターを楽しむためには?
第4章 ツイッターをビジネスで活用する
第5章 ツイッターの今後
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