読書メモ

・「デキるトップのすぐ効く!しかけ
(白潟敏朗 :著、大和書房 \1,300) : 2009.11.30

内容と感想:
 
「シンプルしかけ」の応用編。社長さん向け。
 会社の経営理念や経営方針を明文化しているところは多いだろう。 しかし、それが社員全員に周知徹底され、実践されているかどうか心配な社長さん、 またはそれ自体の効果を疑問視している方も多いことだろう。 本書は社長と社員が思いをどう共有して、業績に活かしていこうか、という本。
 社長がその思いを社員と共有したいと思っていても、なかなか浸透させることが難しいようだ(私は社長じゃないから分からないが)。 「社長のこだわり」を作り、社員と共有し、実践してもらう方法を解説しているが、 その「こだわり」の明文化のコツ、その様式などが、実際に適用した6企業の事例を交えて易しく書かれている。
 「エピローグ」で、社長の「こだわり」は「いい・わるい」ではない、「合う・合わない」だと言っている。 その会社に就職や転職を希望する人が事前に、その「こだわり」を知ることができれば、 入社後のミスマッチも回避できる。ミスマッチは企業・入社した人の双方に不幸である。 だから企業は採用時には「こだわり」を伝えなければいけないし、 ホームページなどで常日頃から「こだわり」を発信しておく必要があるだろう。

○印象的な言葉
・エビングハウスの忘却曲線:人の話は1時間後に、56%の人は忘れる。多くを語らない。話を1つに絞り込む。繰り返し伝える。「なぜ」を話す。
・社長の思い、こだわり、大切にしていること、xxに命をかける
・xxウエイ、クレド、xxフィロソフィ、DNA:思いや考え方を配り、何度も説明・理解させる。浸透させ、実行させる。日々、読み合わせ、実践、チェック
・相手の理解度をみながら説明
・「(君の)意見を聞かせて」と言われれば、やる気につながる。「勉強しないと」と自主的に勉強するようになる。情報も持ってくる
・部分最適病:部門のトップ同士の会話不足。ホンダの役員室は大部屋
・課長あたりまで参加させて、社長がじかに話す場。セブンイレブンは交通費をかけてまでも毎週実行している。
・プライドは横におく

-目次-
第1章 社長のおもいはなぜ全社員に伝わらないのか?
第2章 おもいを伝えるための会話を増やそう
第3章 「ウチのこだわり」を明文化しよう
第4章 こだわりの事例