読書メモ
・「竹中式マトリクス勉強法」
(竹中 平蔵 :著、幻冬舎 \950) : 2009.04.05
内容と感想:
ご存知、小泉内閣において金融担当大臣などを歴任された著者。
その著者が実践してきた勉強法を公開。
タイトルにある「マトリクス」とは勉強を2×2の表で表現したもの。
人生を戦うための「武器としての勉強」と人間力を鍛えるための「人と人とを結ぶ勉強」を横軸に、
それらを「天井がある勉強」と「天井がない勉強」という縦軸で分けて、勉強を座標軸として捉えている。
例えば資格試験の勉強のようなものは「武器としての勉強」と「天井(ゴール)がある勉強」という性質を持つ。
これを「記憶勉強」と呼んでいる。武器の勉強でも天井がないのは直接、仕事に関わるような「仕事勉強」となる。
一方、人を結ぶ勉強には趣味勉強と人生勉強がある。
特に「記憶勉強」については第3章で解説しているが、残りの章はどちらかといえば「仕事勉強」に関するもの。
閣僚としての業績は辞任後もいろいろ批判されることも多いが、本書は本書として勉強法のヒントとして読んで損はない。
小泉さんの話も時々出てきて興味深い。
○印象的な言葉
・日本人のパワーが落ちてきている
・向学のパワー
・正しいことを見極める力
・英語のうまい日本人の英語を真似ろ
・英語は一番前の席で聞いて、一番先に話せ。ちょっとした勇気
・聞くことは相手の思考体系を探ること
・鳥は向かい風の中、飛び立つ
・人と人とを結びつける知
・経営幹部には成果に再現性、恒常性が求められる。経営メソッドや体系化されたマネジメントを学ぶことが有効
・努力できることが才能
・自分なら出来ると思い込むパワー(Yes,I can)
・夢見ながら耕す人になれ
・戦略は細部に宿る
・風が吹こうが天辺の月は動じない
・Back to Basic:基本に戻れ
・レム睡眠中は神経伝達物質が増加し、起きているときよりも記憶と感覚が活性化する
・残業するほど暇じゃない
・一人でも優れた人がいれば立派な企業はできる
・記憶勉強:資格試験や受験勉強。記憶力が試される。コツがある。
・資格を持つことで「自分にはベースがある」という安心感が生まれる
・グローバル企業が取り入れるダイバーシティ戦略。性別・年齢・人種などで区別せず、多様な人材を受容し、イノベーション力を高める。
人材の能力は学歴で測る。
・ホモジニアス(同質、均質)な社会から、ヘテロジニアス(異種、異質)な社会へ。
・paraphrase:言い換え
・日本人には英語を読む量が圧倒的に足りない。読む力がないから聞くことも喋ることもできない。単語力が基本
・英語の音読お続けることで頭の中が英語モードに切り替わる実感が得られる
・コツコツ積み重ねた努力は、非連続的にある日、突然実る
・読書会で感想を議論。
・勉強会では読み書きして勉強した後に、それに関わる知識を披露しあったり、感想を述べあう。「xxクラブ」「xx研究会」
・こだわりを持つ。アンカー(錨=いかり)を持つ。考えがブレない。自分の軸。
・教育の本質は「エンカレッジ」(勇気づけること)
・学会は励ましあいの場
・for the public
・キャリアは「今、何をすべきか」で選ぶ
・仕事仲間の質にこだわる
・一個人の独立なくして、一国の独立はない(諭吉)
-目次-
第1章 マトリクス勉強法とは?
第2章 竹中式勉強法9の極意
第3章 竹中式記憶勉強法5の極意
第4章 竹中式英語勉強法7の極意
第5章 竹中式経済勉強法9の極意
第6章 世界に通じる勉強5の極意
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