読書メモ
・「ステッピングモータの使い方」
(坂本 正文 :著、オーム社 \2,600) : 2009.04.13
内容と感想:
世の中には様々なモータがある中、本書は「ステッピングモータ」に特化して書かれた。
そのステッピングモータにも色んな種類がある。
本書はステッピングモータの構造と、動作原理、それを制御する仕組みなど理論的な解説と、
目的別のモータの選び方、プリンタなど精密機器への応用例など実用面からの説明から成る。
図表も多いが、数式も出てきたりして決して内容は易しいとは言えない。
数式は飛ばし読みしたとしても、ざっくりと理解はできるだろう。
ステッピングモータはオープンループ制御であるため、回転子の位置や速度のセンサーが不要で、
駆動回路を含めたコストは他のモータよりも安くなるのが特徴である。
ステッピングモータに要求される特性としては、振動や回転ムラが少ないこと、低騒音、広範囲の速度域、
立ち上がり特性の良さ、ステップ角度誤差が小さいことなどがあり、全体のコスト、経時変化のない高寿命なども
モータの選定の際には考慮する必要がある。
モータ単体だけを注目してみてもつまらないかも知れないが、どんなところでどのように使われているかを知るだけでも価値がある。
○ポイント
・正しく使用しないと振動や騒音に悩まされたり、脱調現象(同期回転から外れる)が現れやすい
・駆動回路:DC電源電流をモータの各相巻き線に順次切り替える。切り替え頻度に比例した速度で回転子が回転。
・過渡(ダンピング)特性:行き過ぎ角(オーバーシュート)、戻り角(アンダーシュート)
・位置決め精度
・出力としての回転子動作がステップ状に変位する
・コギングトルク:固定子コイルに通電しない時に回転子の永久磁石の磁力により発生するトルク
・リニアステッピングモータ:ダイレクトに直線動作や往復直線動作を実現。機器小型化に有効。
・ダンパー:ステッピングモータで位置決めするとき、すぐには止まれない。ダンピングやセトリングタイムの改善に用いる
-目次-
1章 ステッピングモータとはなにか
2章 ステッピングモータの分類、構造、原理
3章 ステッピングモータの理論と特性
4章 ステッピングモータの要素技術
5章 ステッピングモータの駆動と制御
6章 ステッピングモータの特性測定法
7章 ステッピングモータの選び方
8章 ステッピングモータの使い方と問題点対策
9章 ステッピングモータの応用
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