読書メモ
・「齋藤孝の速読塾 ―これで頭がグングンよくなる」
(齋藤 孝 :著、筑摩書房 \1,200) : 2009.08.01
内容と感想:
著者が編み出した速読・多読の方法を紹介した本。
第1講で読んだ本の理解力をABCの3段階でレベル分けしている。
内容をすぐに忘れてしまう、知識として使えないのがC。内容把握は出来る、要約が出来るのはB。
「新たな価値を付与して、オリジナルのアイデアや提案、見方が出せる」のがA。
ただ速読・多読が出来たからといって、理解レベルが低くては読むだけ無駄。
何か得るものがなければいけない。その点では本書は「使える読書法」になっている。
これまで何冊も読書法の本を読んでみたが、共通のものもあれば、著者独自の新たな方法も知ることができた。
外国語の速音読というのが紹介されている。語学を学ぶには効果がありそうな気がする。これは最も試してみたいと思ったテクニックである。
○印象的な言葉
・速解力
・逆算式読書法:強制力を持たせる
・二割読書法:2割読んで内容の8割を理解する
・引用ベスト3方式:非常に重要な文章や段落を3つ挙げる
・著者のスタイルを理解する。一人の著者にかぶれてみる。文体、スタイルを理解する
・著者が戦っている相手、否定したい考え方
・外国語の速読・多読:ペーパーバックの音読、既に日本語で分かっているものを読む。音読中は後ろに戻れないので読みながら理解する必要がある
・速音読:口の限界まで速く読む。大きな単位で読める。意味が分からないところがあっても大づかみに全体が見ることができる
・密息:密かに呼吸する。呼吸量が増える。吐くときにリラックスして長くゆるく吐く。おなかに張りをもたせたまま吐く
・サレクサンダー・テクニーク:体から不必要な力を取り除き、楽な姿勢で
・本を雑誌化して読む
・会議で配布された資料に素早く目を通して理解する
・多読は価値観の偏食を直してくれる
・おざなりな一文を付けた書評、コンセプトのない書評 →オリジナルのキーワードを付けてみる。自分の経験とリンクするエピソードを入れる。
名シーンや人生にとってヒントになる一言を抜き出す。自分の発見したこと
・闘争や戦争、憎しみは「理解が足りない」あるいは「理解することを拒否している」ところに生まれる
・本を買った日が読む最大のチャンス
・読書により新しい概念やコンセプト、知見を獲得する
・先入観や凝り固まった自分の考え方に固執しないのが知性
・知的な会話:質問力を駆使して、相手からじっくり情報を引き出す、気付きがある。自分とは違うもの、反するものを含みこんでいき、
正・反・合というように発展していく弁証法的な対話
・今まで考えてみたこともなかった!気付かなかった!
・相手を受け入れる器を大きくしていく。愛せはしないが、理解できる。全面的には賛成できないが、理解できる
・系譜意識をもって読む。一冊の本の背景にはそれに連なる膨大は系譜の世界が広がる。点ではなく線や面で読む
・まずパラパラとページをめくりながら、チラ見しながら何となく全体を把握。大雑把でいい。右ページだけを読む。
・読破感
・アイデアが出る人は考え続けられる人
-目次-
第1講 何をどこまでめざせばいいのか ―速読・多読の目標
第2講 勇気をもって飛ばし読み ―二割読書法とは何か
第3講 誰でも今すぐできる速読術
第4講 速読上級者用プログラム
第5講 速読を生活にうまく組み込んでいく方法
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