読書メモ

・「どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座
(小宮 一慶 :著、ディスカヴァー携書 \1,000) : 2009.01.22

内容と感想:
 
「xx力」養成講座シリーズの社長編。
 経営コンサルタントの著者が、社長に求められる5つの力(ストラテジー力、マーケティング力、ヒューマンリソース・マネジメント力、会計力、リーダーシップと人間力)について 書いている。 いずれも経営の基本と思われることばかりだが、著者がいうように、それを「徹底」的に実践することが大事だ。 私は経営者ではないが、中間管理職や平社員であっても経営者的な考え方を理解して、一部門や一個人であっても、 経営感覚をもって仕事をすることは有効であろうと思う。その立場になって考えることができることで、 視野も広がるだろう。 いずれリーダーになる人、将来、起業を考えている人にも本書に書かれた基本を理解して、 備えることは有意義である。

○印象的な言葉
・経営の鉄則、原理原則:お客様第一、キャッシュフローを稼ぎ、それを将来にために人材や設備に投資
・方向付け:お客様が欲しているものを見極める。お客様の背後にある世の中全体の動きを捉える
・言葉遣いなど小さな行動を変えることが大きな違いを生む
・利益は目的達成のための手段、目標であり、それが目的ではない
・供給過剰の時代には強みを生かせる分野に資源を集中
・小さなリスクを取り続ける
・社運など簡単にかけてはいけない
・オンリーワン企業:お客様から見て選択肢がなくなる。甘えや驕りが出る。ライバル企業がいることで自社の商品やサービスのよさが際立つ
・いざというときに小さくなることができれば会社を潰すことはない
・人のエネルギーを引き出すのは自尊心、自負心
・良い会社には良いお客様が長くつく
・品質と価格ではなかなか差別化しにくい。サービス、きめ細やかさで差をつける
・感動は期待していた以上のことが起こった場合に生じる
・マニュアルどおりでも、その徹底ぶりが感動を生む
・不満に思っているお客様のうち、それを申し立てるのは4%程度。不満を言わないお客様は去っていく
・測定可能な目標を適切に設定する
・型から入り、それを繰り返しているうちに、その心が分かる
・理解は偶然、誤解は当然と思え
・売上高はお客様との接点。モノやサービスを差し上げた対価。お客様に喜んでいただいた大きさ
・利益は従業員や会社、社会発展のためのコスト
・中小企業なら手元流動性を月商の1.7ヶ月分確保
・営業利益ベースでROA(資産利益率)が5%が合格ライン
・何かあったら自分が対処するという気持ち
・厳しいりーだーは一時期は嫌われても、長期的には好かれる。結果を出し、最終的に皆を幸せにするから。
・欲はエンジン、理性がハンドルやブレーキ
・ダム経営:ヒト・モノ・カネに少しいつも余裕を持っている(松下)
・感謝の気持ち。仕事や人生を大切にすることができる
・リーダー、家族、友人、会社、社会のどれかが犠牲になっても長続きしない
・リーダーは未来志向であること。現在の意思決定により未来を決定づける。

-目次-
社長力1 ストラテジー力 -経営という仕事の認識を誤っているとうまくいくものもうまくいかない
社長力2 マーケティング力 -お客さまの心をつかむマーケティングの本質を理解する
社長力3 ヒューマンリソース・マネジメント力 -何が人を動かすのかをほんとうに理解しているか?
社長力4 会計力 -会計・財務を経営的に考えているか?
社長力5 リーダーシップと人間力 -結局は、リーダーの人間力がものをいう