読書メモ
・「絵とき「シーケンス制御」基礎のきそ」
(望月 傳 :著、日刊工業新聞社 \2,200) : 2009.05.16
内容と感想:
生産システムの自動化を実現するシーケンス制御について絵を多用して解説している。
仕事の関係で「制御」を勉強しようと「絵とき」シリーズをまとめて購入した本の一冊だが、
本書は予想していた内容とは外れていた。「ソフトウエアによる制御」を想定していたから。
事前の調査を怠ったから仕方がない。自分のせいだ。しかしそこは割り切って、せっかくなのでざっと読んでみることにした。
シーケンサと呼ばれるコンピュータ制御が広がる以前は、リレー回路を用いたリレーシーケンス制御が普通だった。
本書ではタイトルどおりシーケンス制御の基礎から、リレー回路を中心にシーケンス制御の考え方、
シーケンス制御回路図面の読み方・書き方、などを解説。
最終章ではシーケンサについて触れているが、ラダー図の読み書きの仕方についてはごくわずか。
私としてはこちらの方に興味を持ったが、もっと紙面を割いて欲しかった。
「絵とき」とは言え、無駄な絵が多く、説明不足で何の絵だか不明なものも多いのが残念。
○ポイント
・シーケンス制御:定められた順序に従ってプロセスを逐次進める制御。運転や操作の自動化・省力化。
順序制御、条件制御、時間制御の3種類。
・LCA: Low Cost Automation
・シーケンサ: Programable Controller。シーケンス制御回路をソフトウエアとして作成。コンピュータで制御する。
GMが自動車生産のために開発し、実用に成功。
・接点信号:シーケンス制御で使われる制御信号。A接点、B接点、C接点
・FA
・自己保持回路:一時記憶回路
・タイムチャート
・インターロック:フール・プルーフのための手段。人間に安全な仕組み。他の障害となるようなリレー回路の働きを禁止。
過剰なインターロックは操作性を悪くする。準備動作をしてから停止させるという場合もある。
・スパークキラー:リレーの接点の開閉時に火花(アーク放電。接点の消耗、接触不良の原因になる)やノイズの発生するのを抑制するため。
・駆動機器:電気などエネルギーを機械的動力に変換する機器
・アクチュエータ:速度や機械的位置を制御して仕事をする機器
・電磁クラッチ:電磁石の力で摩擦板同士を押し付け合って、機械的動力を伝達する
・ソレノイドバルブ(電磁弁):シリンダーやモータを制御する際に、圧油や圧縮空気の流量・流れる方向などを制御する器具
-目次-
第1章 シーケンス制御とその役割
第2章 シーケンス制御における信号とその流れ
第3章 シーケンス制御入門のための電気の基礎知識
第4章 シーケンス制御の基礎のきそ
第5章 シーケンス制御に使われる電気機器・器具
第6章 シーケンス制御回路の読み方・書き方
第7章 シーケンサの初歩
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