読書メモ
・「製作実習で学ぶロボティクス入門」
(高橋 良彦 :著、オーム社 \2,200) : 2009.02.28
内容と感想:
ロボコンは根強い人気があるようだ。「ものづくり日本」を支える人材の育成にも大きな貢献があると思っている。
本書はロボティクスを学ぶ入門書としてマイコンで制御する二足歩行ロボットを製作例として取り上げている。
機械設計、電子回路設計、C言語によるプログラム製作などのプロセスを通して、初学者がロボティクスのエッセンスを学習できるよう、
順序立ててまとめられていて入門書としては最適であろう。少しずつステップアップしていく構成で書かれている。
PICマイコンなど市販のパーツを使用して、学生が個人で部品を購入して学べるよう低コストのシステムを教材としているのもよい。
金銭的なハードルで学ぶ意欲を殺ぐことは残念なことだから。
本書で取り上げた二足歩行ロボットは直線歩行をするために関節数を6とする6関節ロボットである。
更に関節を増やした12関節や少ない4関節ロボットについても最後に少し触れている。
PWMによるモータ速度制御、フィードバック制御(本書では古典制御理論の中でも簡単な比例制御)、マイコン間の並列通信など
組込みの基本を学ぶことができる。
○ポイント
・ロボティクス:機械工学、電子工学、情報工学、人間工学、福祉工学、心理学などを包含するシステム工学
・静歩行と動歩行
・ポテンショメータ:回転角度検出センサ。分圧の原理を応用。
・セラミックコンデンサ:極性なし
・電解コンデンサ:極性あり
・レゾネータ:セラミック発振子。極性なし
・タクトスイッチ:押している間のみONとなる
・クラッチギア:モーターがあるトルク以上はトルクが発生しないようにする
・I2C(アイ・スクエア・シー)通信機能。PICマイコン間を2本のピンのみで接続可能。1命令で8ビットのデータ通信が可能
-目次-
第1章 機構系の基礎
第2章 電子回路の基礎
第3章 制御工学の基礎
第4章 二足歩行ロボット機構系の製作
第5章 PICマイコンとC言語
第6章 LED点灯制御システム
第7章 モータ駆動制御システム
第8章 関節制御システム
第9章 親PICマイコンと子PICマイコンの通信
第10章 6関節歩行ロボット
第11章 12関節歩行ロボットと4関節歩行ロボット
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