読書メモ

・「入門Redmine
(前田 剛 :著、秀和システム \2,000) : 2009.02.15

内容と感想:
 
Redmineは一言で言えばオープンソースの「プロジェクト管理ツール」。 プロジェクトの作業項目や様々な情報、コミュニケーションを記録・管理できる。 作業の発生から完了まで記録・追跡できるため、プロジェクトの最新状況や問題が起きていないかなどを確認できる。 Webベースで、ユーザインターフェースもブラウザで操作しやすくなっており、複数人で情報共有できる。
 多くの企業やオープンソースソフトウエア開発チームで使われるようになっているという。 OSはWindowsとLinuxに対応しており、日本語でも使える。
 本書ではRedmineを紹介し、それによりどのような業務改善が期待できるか、類似のツールである「Trac」や、Excelを使った管理との比較なども交えて説明している。 Redmineでは一つ一つの作業項目を「チケット」と呼び、それぞれに実装すべき機能や修正すべきバグなどを割り当てる。 そしてチケット単位で作業方針や議事録、質疑応答、調査結果や気付きなど様々な情報を記録し、進捗も確認できる。1枚のチケットが作業指示書でありバグ管理票である。 設計書の補完の役目も果たす。
 RedmineはRubyで書かれ、Ruby on Railsで開発されている。 著者は非公式のRedmine日本語情報サイトも立ち上げているから、そちらでも情報は得られる。
 色々フリーの管理ツールを探していたところ興味をもち本書を手に取ったのだが、まだ実際には使用していないため 確かなことは言えないが、なかなか機能は強力であると感じている。

○ポイント
・wiki、ニュース、フォーラム(掲示板)による情報共有。ツールの使い方などのノウハウ、コーディング規約などルールの周知。
・バージョン管理システム(SCM: Software Configuration Management)との連携:Subversion、Mercurial、Git。ソースのコミット時に付けるコメントとリビジョン番号を Redmineのチケット番号と関連付け、相互参照可能とする。
・チケット追加・更新をRSSリーダーで確認
・Excelは複数人同時に更新するのに向かない
・問題管理システム(ITS: Issue Tracking System)
・Trac:コマンドラインでの操作が必要
・Textile: Wikiで使う記述方式
・Subversion、Mercurialでは作業中のファイルにロックをかけない。他のメンバーとの間で変更の競合が起きた場合は話し合いで解決する必要がある。
・RubyGems: Ruby用パッケージ管理ツール。Ruby向けのソフトのインストールに使う
・Mercurial:Pythonで書かれた分散型SCM。Mozilla、Xen、OpneSolarisなどのプロジェクトで利用される。開発者がローカルでリポジトリを持つ。 一時的にネットワーク接続できない環境でもコミットが行なえる。
・Mantis

-目次-
1 Redmineの紹介
2 利用者編
3 管理者編
4 リファレンス編
5 付録