読書メモ

・「すごい考え方
(ハワード・ゴールドマン :著、 松林 博文 :訳、中経出版 \1,500) : 2009.01.05

内容と感想:
 
原題は「High-Performance Operating System」だ。そのままだと何か新しいOSの技術書のように思えるが、 邦題が示すように「考え方」について書かれた本である。
 著者は言葉を大事にしている。 「言葉が世界を形作っている。だから使う言葉を変えることによって世界が変わっていく」と考えている。 我々は言葉を通じて世界を認識しているから、その言葉を変えれば世界の認識も変わってくるのだ。 本書はビジネスマンに向けて書かれたビジネス書であるが、同僚や部下、上司と良好な関係を築き、 文字通りHigh-Performanceな組織作りをするのに役立つだろう。
 各章に自分を把握するためのチェックシートのようなものが付いていて、書き出すことで自分を見つめ直すことで 問題点が把握でき、改善につなげることが出来る。 内容は雰囲気作りから目標設定や、問題抽出、計画策定、問題解決法、プロジェクト管理、コーチングなど多岐に渡る。 良い言葉使い(すごい考え方)と悪い言葉使い(普通の考え方)を対比させて説明するパターンが多いので分かりやすいし、 具体的で実践的なノウハウ集となっている。本書は有能なコーチになってくれるはずだ。

○印象的な言葉
・言葉には頭言葉、心言葉、体言葉の3つがある。評論家は頭言葉で話す。理想論者は心言葉に偏っている。経験主義者は体言葉を使う。 3つをバランスよく使うことが大切。
・ビジネスを経済活動(頭言葉)だけでなく、文化活動(心言葉)やスポーツ(体言葉)の視点でも眺める
・感じる(心言葉)、行動(体言葉)、現状を客観的に捉える(頭言葉)
・学んだことのない未経験の領域であっても100%学んでから実行していては時代に取り残されてしまう
・人は自分自身も問題の原因に何らかの形で関連しているとはなかなか思えない。マスメディアさえも。
・諦めることを習慣化した時点で成長はなくなる
・創造的に聞く。アイデアを膨らませながら聞く
・行動しながら軌道修正

-目次-
OS ―あなたはどんな「言葉」を使っていますか
言葉 ―未来語を使って可能性を語ろう
雰囲気 ―「何」を「どのように」話すか、を意識する
目標 ―「~しよう」ではなく「~する」と宣言する
問題抽出 ―「誰かが悪い、自分は正しい」と思い込んでいないだろうか
アクションプラン ―「誰が何に対して責任を持ちますか?」
戦略ボード ―「私は~します。あなたには~してほしいのですが」
問題解決 ―アイディア出しの時に「投票」をしてはいけない
プロジェクト ―「うまくいっていますか?道を外れていませんか?」
コーチング ―自己満足的なアドバイスをしていないだろうか
「~を行いましょう」から「~を担当します」へ
「君ならぴったりのトマトを探せるはずだ」