読書メモ
・「[入門] はじめてのオブジェクト指向設計」
(藤島 一月男、奥 恵 :著、技術評論社 \2,280) : 2009.05.04
内容と感想:
Visual Basicユーザ向けに書かれたオブジェクト指向の解説書。
経験者と初心者との対話形式で書かれていて、とっつきやすいだろう。
実はVBユーザ向けと知らずに本書を手に取ったのだが、
VB .NETがオブジェクト指向プログラミング言語で、Basicがオブジェクト指向に進化していたことを初めて知った。
本書ではVBのサンプルコードも挙げて、実際のプログラミングも意識しながら、
オブジェクト指向設計を学ぶことができる。入門者でもオブジェクト指向の根幹となる概念は理解できるだろう。
メソッドのオーバーライドに関する指定を行なうキーワードとして「overridable」や「overrides」などといった
C++しか知らない私には初見のものも出てきて新鮮だった。
ただ、サンプルコードのクラス名や変数名、メソッドなどが日本語で書かれているのは、読みにくく、どうしても違和感を感じてしまう。
個人的には最後の第5章の例外処理について、わりと詳しく書かれていたのが興味深かった。
○ポイント
・インターフェースは型として使用できる。メソッド一覧しか持たず、これだけではインスタンスは作れない。クラスではない。
継承で設計したクラスをインターフェースに置き換えることも可能。
・例外処理:ネストが深いところでエラーが発生しても直接、一番上(元)のエラー処理まで飛べる。
例外クラスに例外が起こったメソッド名や行などを盛り込むことで、多くの情報を返すことが可能。
例外を発生させるのはそれ以上、処理を続行しても意味がない場合。データやプログラムを直さなければいけない状態。
・例外の後処理:ファイルであればバックアップファイルの復元や一時ファイルの削除。不具合の原因がデータにある場合、
データの修正後にリトライさせることも可能。入力ミスによる例外なら再入力とする。
・入力チェックの判定と例外処理は1つのクラスにまとめる
・例外情報出力処理は最上位のスーパークラスかインターフェースに組み込む。
-目次-
第1章 オブジェクト指向設計の基礎
第2章 構造化プログラミング
第3章 オブジェクト指向の重要概念
第4章 インターフェースとポリモーフィズム
第5章 例外処理のあれこれ
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