読書メモ

・「レバレッジ英語勉強法
(本田直之 :著、朝日新聞出版 \1,300) : 2009.02.16

内容と感想:
 
「レバレッジ」シリーズ。今回のテーマは英語。
 著者は26歳まで英語が喋れなかったという。自身、面倒くさがりやだともいう。 そんな彼が海外ともビジネスをし、ハワイも拠点のひとつとするほどに英語が話せるようになったのは 自ら編み出した勉強法にあった。 「完璧でなくても役立つ英語を、短い時間で効率よく、話せるようになる」ことを目標に自分で「実践テクニック」を構築したのだ。
 今でも文法を間違えるし、発音も完璧ではないというが、コミュニケーションには問題ないという。 最初から完璧を目指すから挫折するのだ、と考え方を変えれば気が楽になる。まずは英語に対する考え方を変えることが大切だ。 「メンタルブロック」という言葉が出てくるが、やはり英語上達を阻む壁は日本人的なメンタリティに原因がありそうだ。
 英語は「ビジネスで生き残るための必須アイテム」だというように「英語はマスト」の時代になってきたという。 そのためにも本書では「三カ月で話せる基礎を作り上げる」ことを目標にしている。 即効性の勉強と遅効性の勉強に分けて考えている。 単語やフレーズを覚えるのが即効性、リスニングは遅効性。それらの配分は最初は8:2がいいそうだ。
 3ヶ月という短期集中でのマスターを目指すためのスケジューリングの仕方も解説していて、スケジュールを決めたら 兎に角インプットとアウトプットの繰り返しを習慣化させ、淡々とこなしていくだけ。 著者が使って有効と考えている教材も巻末に紹介されている。実際の学習はそれらを使うことになる。 非常に実践的なノウハウ本であり、やるかやらないかは自分次第である。

○印象的な言葉
・英語は「資本金」である
・恥ずかしさを消し去る
・アウトプットを基準にインプットする。アウトプットして「失敗」という最大の学びを得る。経験を積めば度胸もつく
・偏った英単語を100個だけ覚える、偏った言い回しを20個覚える
・きっかけ語(天候、服装や持ち物お誉める)とあいづち語を用意する
・「get」と「have」をおさえる
・自己紹介を極める。職業、趣味
・先に話しかける。会話の主導権を取る。自分の土俵にもっていく
・必要性が上達させる
・セールストークの英文シナリオ
・メンタルブロック:否定的な思い込み。間違えたらどうしよう、恥ずかしい
・モチベーションに頼ってはいけない。目的を明確にし、実現方法を論理的に考え、あとは習慣のように淡々とこなす
・シリコンバレー住民の48%は家庭では英語以外を話している
・英語力の足りない分はビジネスの知識がフォローしてくれる。ある分野のビジネス特有の共通言語があるため推測で補える。
・英会話スクールのグループレッスンは数人の生徒が時間を分け合うため、お金と時間の無駄
・英文法は既に中学と高校で十分にやったはず
・英字新聞は独特の新聞用語があるためハードルが高い。話題も多岐に渡る
・ネイティブはたった100語で話している。わずか25の単語を知るだけで英語の1/3が分かる
・日常の基本的な会話は3〜5つの単語で構成されている
・リスニング:リズム、アクセント、音節や音の変化、英語の構造
・SIMの英語教材「スーパーエルマー」
・Voice of America:インターネットでも聞けるラジオ放送。英語を母国語としないアメリカ人のための番組。1,500語程度のやさしい単語で構成されたニュース。 ゆっくりとしたスピード。
・アメリカでは発言しないと評価されない
・TOEICはテクニック。既に誰かが試して効果が実証されたノウハウを拝借する
・三ヶ月が1クール。勉強を習慣にできれば「やらないと気持ち悪い」状態になる。
・ビジネスパーソンに不可欠なのは「英語、IT、金融」(大前研一)
・ビジネス英語電話コーチングプログラム
・困ったときの魔法のフレーズ
・スティーブ・ジョブズの講演を繰り返し聞く →興味のある人物の話を聞くのは効果的
・ネイティブ先生ドットコム

-目次-
プロローグ 仕事にレバレッジをかけたいなら「思考法」を変換せよ!
Chapter1 「英語が話せない」と格差が拡大する時代
Chapter2 「偏った英語」でレバレッジポイントを目指せ!
Chapter3 「従来の勉強法」を「レバレッジ勉強法」に切り替える
Chapter4 本当にレバレッジが効くインプットをする
Chapter5 英語をモノにするアウトプットの方法
Chapter6 三カ月で壁を破るレバレッジ・スケジューリング
Chapter7 ポイントが一目でわかる「レバレッジ英語」体験記
付録 レバレッジが効く! 英語勉強アイテム20冊