読書メモ

・「キラー・リーディング 〜「仕事脳」が劇的に回り出す最強の読書法
(中島 孝志 :著、実業之日本社 \1,500) : 2009.03.23

内容と感想:
 
年間3千冊を読むという著者が編み出した読書法の本。
 タイトルの「キラー・リーディング」とは「単なる速読や多読ではなく、情報のインプットから成果や結果というアウトプットを生むまでをシステマティックにマネジメントしていく 究極の読書法」と謳う。 これまでいくつか類書を読んだが、それらと共通する部分も多い。 最近は読書法を学びたいというよりも、みんなどんな風にして本を読んでいるのか興味がある、という部分が大きい。
 著者は目的・ニーズや状況に合わせて、色々な読み方をしてビジネスに役立ている。 著書も多い人だが、そのアイデアの源泉の一つが読書にあることは言うまでもない。 アイデアを出し、アウトプットしていくのが目的の読書法だから、ビジネスパーソンはヒントを得ることが出来るだろう。
 第5章の「インテリジェンスをゲットする3つの習慣」の一つに「考える習慣」というのがある。 私の本の読み方にも共通していて、いつの間にか自分の習慣となり無意識にやっていることなので取り上げる。 それは読みながら「それは違う」「自分はこう考える」「こんなアイデアはどうか」「こうしたらよかったのに」「ひらめいた」などと 著者と対話し、自分でも色々考えることだ。 読書法そのものよりも、工夫の仕方、ものの考え方などについて勉強になった。

○印象的な言葉
・脳内の価値の生産工場、知的生産の読書法
・省読:テーマを絞ってアタリをつけて読む。時間を節約
・面→線→点の3段階読書法
・アイデアは「異質×異質」の化学反応から生まれる
・スパーリング・リーディング:反論しながら読む
・京大カード:京大教授の梅棹忠雄が開発。
・ローロデックス:回転式名刺フォルダー
・切り抜きはA4サイズでコピー。同じサイズのほうがまとめやすい
・発想力(想像力)+論理構築力(創造力)=イマジネーション
・アイデアは記憶力。記憶をどのタイミングで出すかがポイント(黒澤明)
・たくさんアイデアを出すこと。質は量を追求する中で生まれる
・アイデアを出すために情報の引き出しをたくさん持つ、ひねりを加える
・逆演算思考:見ない道筋を描くには「考える脳」が必要。過去・現在からではなく未来から考える
・弱者のための戦法:局地戦、ゲリラ戦、接近戦。全国1位は無理でも種目別、地域別で1位になれる確率は高い
・強者の戦法:確率戦による総合戦
・脳のオートマトン機能:好奇心や関心が強いほど、本当に困ったり、本気になったりすると脳は猛烈に働く
・著者本人の体験談が多い本:ポイントを法則化する
・自分らしくハッピーでありたい
・仲間意識が機能していれば、どんな失敗、トラブルも処理できるもの
・ビジネスマンの人生は最初の上司によって8割がた決まる
・成長しないのは困らない人間。課題には好奇心も関心もない。仕事から学ばない
・ベストセラー本は慌てて買わない。すぐに古書店に出回る
・一縁を笑うものは一縁に泣く
・読書は麻薬。毒書
・アイデアと発想、体験に裏打ちされた情報だけがオリジナルの「インテリジェンス」として価値を生む
・1つでもキラーワード、キラーフレーズが見つかればめっけものと考える

-目次-
第1章 仕事脳をたちまち変える!キラー・リーディングの秘密
第2章 「速読」×「多読」×「省読」でキラー・リーディングを完全にモノにする!
第3章 芋づる式にアイデアがひらめく!キラー・リーディング
第4章 どんどん情報が得られる!キラー・リーディング
第5章 3000冊をとことん消化しつくす!キラー・リーディング