読書メモ

・「話し上手 聞き上手
(齋藤 孝 :著、ちくまプリマー新書 \760) : 2009.08.22

内容と感想:
 
ネットコミュニケーション全盛の時代だが、そうではなく”生のコミュニケーション能力”の向上を目指して、著者が考案した三日間コースのメソッドを本にしたもの。 著者が勤務する大学でも毎夏に実際に授業として行なっているそうである。
 実践的なメソッドばかりで、別の著作でもお馴染みの偏愛マップや朗読なども登場するが、 名前覚えゲーム、テンカウントゲーム、囚人ゲーム、ウィンク・キラーゲーム、アイコンタクトゲーム、集団造形のゲーム、といったゲーム形式のものも多いから 学校や会社でやってみると楽しみながら、スキルアップを図ることができそうだ。 また、参加者同士が仲良くなるという効果もあるようだ。
 「おわりに」で、「あらゆるものが話し上手、聞き上手のテキスト」で、「それをテキストとして捉える感覚と視点があれば、世の中は楽しい教室になる」と 言うように、コミュニケーションスキルだけでなく、あらゆるスキルのための教材が世の中には満ちているのだ。それを意識的にできるかどうかにかかっている。
 現代はストレス社会でなかなか生きにくい世の中だが、コミュニケーション能力を磨くことで、「より生きやすくなる」はずだ。

○印象的な言葉
・「すごいよ!」シート:凄さが分かるのはある程度のレベルに達している証拠
・「ここが違う!」シート:少し似ているが違うものを比較。ポイントは3つに絞る。比較することで伝わりやすくなる
・段取りシート
・ノンディレクティブなカウンセリング手法:相手に話させることで相手を落ち着かせ、自分自身で課題を見出していく
・話を聞いてもらいたいという欲求
・電子辞書のジャンプ機能で複数の辞書間をジャンプし、関連事項を芋づる式に調べる
・もう亡くなってしまった人の偏愛マップを作る。彼らの本を読み、彼らが好きであったであろうものをマッピング
・知識があることによって、聞き上手にもなれる。他の人からもっといろいろ聞き出せるきっかけになる。そうすることで更に知識が広がる。
・福翁自伝:教育のモデルが見つかる
・風呂場で英語の朗読
・メタ・ディスカッション:他人の会話を聞いて勉強

-目次-
はじめに ―話し上手、聞き上手は人間関係構築の必須技
授業一日目
授業二日目
授業三日目
おわりに