読書メモ

・「変革期のウェブ 〜5つのキーワードから読み解くウェブとビジネスのこれから
(鷹野 雅弘、益子 貴寛ら :著、マイコミ新書 \780) : 2009.01.11

内容と感想:
 
本書ではソリューション、コンテンツ、サービス、テクノロジー、プロジェクトという5つのテーマで、 日本のウェブビジネスに関わる人たちが座談会形式で議論している。 登場する方々はウェブサイトの構築やコンサルティング、デザインなどを行なう企業サイトの裏方的な人たち。 彼らがウェブの現在と将来をどう考えているかを知ることが出来る。
 私はウェブビジネスとは無関係な読者だが、タイトルにあるような「変革」が私には伝わって来なかった。 既に自分が感じていることを聞かされただけだからかも知れない。
 実はウェブの話題そのものよりも私が興味を持って読んだのは、プロジェクトマネジメントの部分。 自分がそういう立場だからだろうが、どんなビジネスも共通の課題を抱えているようだ。 プロジェクトやチームのあり方、リーダーのあり方、仕事のあり方、人としてのあり方など共感する部分もあり、考えさせられる。

○印象的な言葉
・ブランディング(ブランド価値向上)
・ウェブにはストーリーが足りない
・シンプルに心を掴む、ツボを突く
・サービスが「刺さる」のは「便利」とは別のベクトル
・自己管理できずにプロジェクト管理できるか
・問題解決ツールとしてのウェブ。煩雑な手続きや面倒なことを解決。
・「橋渡し」という役割
・否定的な意見も含め、オープンに受け付ける
・ユーザ中心デザイン
・振り向かせる、頭の隅に置いてもらう、認知拡大
・従業員の仕草ひとつもブランディング
・ユーザを知る、ユーザから学ぶ
・技術を感じさせないインターフェース
・長く続いているブログは書き手の価値判断が分かる。履歴書より意味がある。人格、人間性、「人となり」が見える。
・一ブロガーとして「何ができるのか」を模索、何か面白いことをやらなきゃ
・エンジニアやギークたちの常識をちょっと斜めから見ることがブレイクスルーのきっかけ。 置いてきぼりにしてきた技術を別の誰かが簡単なやり方で分かりやすいサービスとして広める。
・イノベーションも予想よりもはるかに長い時間をかけてコモディティ化していく
・ユーザと図々しさ、厚かましさみたいな関係を作る。仲間でもある
・WOM(Word Of Mouse)マーケティング:クチコミ
・ライセンスの問題こそテクノロジーで解決すべき。クリエイティブ・コモンズのように機械的にライセンスを処理
・プロデューサー:企画や戦略に寄った発想、プロジェクトを超えた全体的なコミュニケーションの役割
・納得できるものを作り続ける、知見や見識の広がり、探究心
・結局、客商売。サービス業
・組織の意識共有速度、伝達速度
・わかりやすい使い方をわかりやすいカタチで定義できる人が凄い。センス
・フリーになっていない(開放されていない)コンテンツが凄くある

-目次-
はじめに ウェブの変わり目の中で
第1章 ソリューションとしてのウェブ
第2章 コンテンツとしてのウェブ
第3章 サービスとしてのウェブ
第4章 テクノロジーとしてのウェブ
第5章 プロジェクトとしてのウェブ
第6章 ウェブのこれまで、ウェブのこれから