読書メモ
・「ゼロからわかるデジタル回路超入門」
(並木秀明 :著、技術評論社 \1,980) : 2009.09.27
内容と感想:
パソコンや携帯電話、デジタル家電など多くの製品に使用されているデジタル回路。
直接目に触れないだけに、デジタル回路が入っていることを意識する人は少ないであろう。
本書は「デジタルとは何か?」から始まり、真理値表やカルノー図の使い方、論理式の求め方を知り、
最終的には簡単なデジタル回路まで設計してしまおうという本。
図表が多く、説明もステップ形式、丁寧で理解しやすい。
私も昔、高専の情報工学の授業で習った内容がほとんどで、よい復習になった。
本書では7セグメントデコーダフリップフロップを用いたレジスタや、カウンタ、加減算回路まで設計している。
LSIなどの開発現場ではツール(ソフトウエア)で設計、検証などができるようになっているが、
その回路を構成する個々のデジタル回路の基礎を理解するのには本書は最適だと思う。
○ポイント
・論理式をNANDだけの論理式に変換するのは、NAND回路の性能が一番よいため。消費電力も遅延時間も小さい。
トランジスタやFETを少なくすることができる。メモリ容量を大きくすることが容易、書き込みも高速。
ランダムアクセスには時間がかかる。
・NOR型:ランダムアクセスが高速。書き込みは低速、メモリ容量を大きくしにくい
・HDL:ハードウエア記述言語により記述した後、論理シミュレータによりチェックし、論理合成ツールによって自動的に回路化。
・SystemC:C++にハードウエア機能を表現するのに必要な機能を追加。回路の機能をHDLよりソフトに近い形で記述できる
・フリップフロップ:記憶回路。バスの降車ボタンのような動き
・レジスタ:フリップフロップを複数使用して多数ビットのデジタル情報を記憶する回路
・同期式回路:論理式が求まれば機械的に回路設計が可能。CADに適した設計方法。論理式は状態遷移表からカルノー図を利用するだけ。
・デジタルで加算と減算が実現できれば、乗算、除算など色々な計算が可能
-目次-
「デジタル」ってかっこよく聞こえるけど、いったい何?
“1”と“0”の世界を探検してみよう
2進数を加算してみよう
デジタルはAND、OR、NOTがあれば何でもできてしまう
真理値表を書いて論理式を求めてみよう
求めた論理式を簡単にしてみよう
カルノー図を書いてみよう
カルノー図から論理式を求めてみよう
真理値表からカルノー図へ間違いなく転記するために
ブールとド・モルガンの二人の巨匠
組み合わせ回路を考えてみよう
さらに実用的な組み合わせ回路を考えてみよう
エラー検出とエラー訂正
デジタル情報を記憶するために
デジタル回路で実際つ使われているのはD型フリップフロップ
仁所回路を考えてみよう
10進数、2進数、16進数
デジタル情報の加算と減算
|