読書メモ
・「超・投資勉強法」
(松藤 民輔 :著、講談社 \1,600) : 2009.10.04
内容と感想:
2009年2月に出た本。
著者は金鉱山事業会社のオーナーでもある。
それは金融恐慌=金価格高騰を予測して確立したビジネスモデルだと言う。
彼は株式などのペーパーマネーから金という実物経済へ主役が交代すると読んだのだ。
今回の金融危機により今までの経済学や経営学が知的崩壊したと考える彼は、
新しい投資法、勉強法が必要だという。
本書はタイトルからも想像できるように従来の投資法とは違った視点を与えてくれる。
第3章では松藤流「10の透具」という10の投資の指標を挙げている。
その内、GSR(Gold Silver Ratio)を用いて2009年春の日本株の暴落を言い当てている。
実際にこれらの指標を使って勝てるかどうかは私には分からない。
十分に検証し、自分で判断して使うことだ。投資力を鍛えるヒントにはなるだろう。
○印象的な言葉
・投資とは未来を透視すること
・外国人投資家に人気のある日本企業は輸出銘柄
・団塊世代は金融資産が1,000万円に満たない層が圧倒的多数
・プロになるなら1万時間学べ。1日1時間なら30年間続ける
・やり続けているうちに才能は出てくる(ジャック・ニクラウス)。質は量を追う中で磨かれる
・繰り返される歴史に乗るのが投資家としての覚悟
・UAEのアブダビ投資庁の職員はほとんどが外国人。欧米金融機関出身者が運用
・投資は情報とアイデアが全て。情報にお金をかけている者が勝つ
・2020年までは金価格は上昇する
・BDI(ばるちっく海運指数)はNYダウの先行指標。60日以内に連動して動く
・不動産価格に経済は連動する
・BKX(フィラデルフィアKBW銀行株指数):株価の大底を確認する指標。NYダウやSP500より早く動く
・「ザ・エコノミスト」紙:政治、経済、社会問題を問わず、広い視野に立った報道。物事を大局的に捉えて分析し、単なる批判に止まらず、
一歩踏み込んだ未来志向で書かれる
・日経新聞は下から読む。広告から読む。
・米国のファンドはコンピュータ解析を最優先で投資先を決めようとする。何でも理論にしたがる
・投資は心理学や歴史学のほうが親和性は強い
・投資判断で重要なのは(投資先の)経営者の人間性や経営方針、ビジョン。ファンダメンタル分析よりキャラクター分析、パーソナリティ分析、人間分析。
経営者は「モーレツ」であるか(バフェット))
・ジャーナル・ライティング・セラピー:日記を書く心理療法。文字化することが大事
・原油価格には四季がある
・万人に受け入れられようと欲張るな。応援団が半分もいればめっけもの
-目次-
第1章 これまでの金融知識や投資法はもう通用しない
第2章 いまからが個人が底値で拾える千載一隅のチャンス
第3章 見えないトレンドを見抜く、松藤流10種の「透具」
第4章 蛇口の水一滴から黄金を掴む方法
第5章 投資力を鍛える ―3ヵ月間で3倍に殖やすゲーム
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