読書メモ

・「パニック障害
(貝谷久宣、不安・抑うつ臨床研究会:編、日本評論社 \1,500) : 2004.05.13

内容と感想:
 
パニック障害という言葉を知ったのはTVで見たR・デニーロとビリー・クリスタル共演の映画「Analyze This」(邦題:アナライズ・ミー。1999年公開)だったと思う。マフィアのボス役のデニーロと精神科医役のクリスタルが繰り広げるコメディだった。デニーロが患っていたのがパニック障害だった。
 パニック障害は日本でも100人に1〜3人の高い割合で発症するという病気だが、その発症のメカニズムは完全には解明されていない。パニック障害という病名も1980年に命名された比較的新しい病気である。しかし病名は新しいが似たような症状は古くからあったようで、本書の章にもあるように進化論で知られるダーウィンもパニック障害だったようである。
 主な原因はストレスだと言われている。最近ではよい治療薬もあるという。この病気も早期発見、早期治療が重要らしい。この病気の大きな症状は発作がまた起きるのではないかという不安が、ますます発作を起こしやすくするという「予期不安」である。この不安を解消するための療法が認知行動療法である。生活パターン、思考パターンを変えていくことで不安を和らげていき、症状を消していこうというものである。
 実は私も2000年から2001年にかけてパニック障害らしき(本書を読んだあとで今思えば軽度のパニック障害だったと思える)状態にあった。一つはトンネルや飛行機、満員電車など閉所恐怖症、高所恐怖症のような症状。自分が運転する車がトンネルに入ると息苦しくなる、長く高い橋の上で渋滞に巻き込まれた場合に息苦しくなる、満員電車での通勤途中に息苦しくなる、など。逃げ場がないという不安がパニックに陥れる。割と軽度だったためだろうか日常生活にはほとんど支障はなかったが、何度も電車を乗り降りした苦い経験がある(本書ではずっと症状の重い患者さんの体験記が載っている)。根がいい加減だからそのうち治るだろうと、やり過ごしていたのが好かったのかも知れないが、信州へ移住した頃を境に症状はほとんどなくなった。不安が不安を呼ぶ、悪循環の輪をうまく断ち切れれば解消できるはずだ。
 本書ではパニック障害を正しく理解し、その治療法を理解することができる。また患者さんを治療しサポートする周囲のあり方などを考えさせられる。

-目次-
・ダーウィンはパニック障害だった?!
・パニック障害 - 歴史からの展望
・パニック障害の症状
・パニック障害の経過と予後
・パニック障害の治療薬
・パニック障害の認知行動療法

更新日: 04/05/16