読書メモ

・「100億稼ぐ仕事術
(堀江貴文:著、ソフトバンクパブリッシング \1,500) : 2004.12.25

内容と感想:
 
2004年の日本プロ野球界においてストーブリーグを盛り上げてくれたのが著者の堀江Livedoor社長その人であった。「新規参入」は2004年の流行語大賞にもエントリーされたようだが、そのときのコメントが面白かった。本人が言ったかどうかはよく分からないが「(結果的に)新規参入できなかった自分がエントリーされてよかったのか?」。社名を変える前のエッジという名も、Livedoorという名も見知ってはいたが、その社長の人となりはこの騒動で初めて知った次第。楽天も参入に名乗りを挙げたため、三木谷氏と比較されてしまうが、キャラクター的には堀江氏のほうがカジュアルで一般受けしているように感じる。
 本書は一連の騒動の以前(昨年)に出された本である。若くしてグループ全体で年商100億円の会社にした彼の仕事術を自ら語っている。彼の生い立ちにも言及されていて、如何にして現在の地位を築き上げたか、その秘訣が詰まっている。「ハジメニ」で書かれているように彼は「メールを一日平均5000通読んでいる」そうである。彼の仕事術のキモはメールである。時代はスピードが求められている。経営者には素早い意思決定が必要だ。メールにより社員との意思疎通を早め、強め、更に会議前には予め資料を配布して参加者も事前に目を通しておき、会議時間を短縮、時間を有効活用する。情報共有や情報収集にもメーリングリスト(ML)を使う。自分へメールすることでToDoリスト代わりに使う。世の中にはMS-Office製品のような立派なツールが多いが、ほとんどメーラーで事足りると彼は言い切る。文書や資料、プレゼンなどの作成に高度なツールを使っていると仕事をした気になるが、実は生産性は上がっていないとバッサリ。
 ITバブル、ネットバブルではじけた会社も多いが、しっかり生き残っているのは立派なものである。急成長したため成金のように見られがちだが、バブルに踊らされないで、しっかりした信念を持ち続けることができる経営者である。

-目次-
0 ゼロカラ
1 ヒト
2 ジカン
3 ジョウホウ
4 カネ
5 ツール
∞ 100オクカラ

更新日: 05/01/04